黒い傷あとのブルース(1961 小野田嘉幹)

劇場公開日:

解説

猪俣勝人の原作を味楽京香が脚色、「お笑い三人組 怪しい奴にご用心」の小野田嘉幹が監督したアクションもの。撮影は「狂熱の果て」の岡田公直。

1961年製作/81分/日本
配給:大宝
劇場公開日:1961年11月22日

ストーリー

立花猛は、東京-香港を結ぶ大がかりな麻薬ルートを握るボスの片腕である。羽田空港。タラップを降りる猛の背に向けられたライフル、空港ビルの前に待つ謎めいた女。全く猛にふさわしいドラマチックな出迎えだった。彼は、東京の麻薬密売をまかされている藤田商事の社長の動静を探るためにやって来たのだ。交通事故死といわれる前社長の死因もあやしい。藤田に逢った猛は、彼にはっきりと裏切りの匂いを感ずるのだった。翌日から二人の激しい探り合いが始まり、猛は昔仲間の源次、三宝丸のキャプテンと一緒に、藤田の新しい取引相手をキャッチして行く。そんなある日、源次は交通事故死体となって発見された。彼がかつぎ込まれた病院は、奇しくも前社長と同じ小島病院である。一方、北海道のボスと結託した藤田は五日後に取引を控えている。当日、藤田は謎の女・亜紀に、猛を湘南につれ出すことを命じた。それも猛に見やぶられ、猛は香港からの貨物船が投錨している埠頭へとやって来た。彼はついに近くの倉庫で取引中の藤田をつきとめた。藤田の裏切の証拠をつかんだあとは、香港に帰ってボスに報告するだけだ。「リオ」のけだるい深海のようなムードに踊る猛と亜紀、二人は黒い世界に棲む者のみが知る共通の体臭を認め合うのであった。リオから出た猛に猛然と走って来た一台の車、避ける間もなく--。猛は小島医院に運ばれた。手術台に横たわる猛、いましも院長の小島の注射器が猛の腕にさしこまれようとする時、猛はがばッとはね起きた。小島は藤田にたのまれこの注射で前社長も、源次も殺ったことを自供した。逮捕された小島もまた車にはねられた。走り寄る亜紀、小島は亜紀の父親だったのだ。今は全てが終った猛と亜紀の胸は、香港での新しい生活の夢でふくらんだ。閉店後のリオ。そこでは猛と藤田の対決が終り、瀕死の猛は亜紀の待つ波止場へと車を走らせた。力つきた猛の眼には、すでに出港した三宝丸がかすんでみえた。そこで待つのは麻薬取締官であった。三宝丸のデッキでは、猛をあんずる亜紀が、溢れる涙を必死におさえていた。

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