女の橋

劇場公開日:

解説

新橋の名妓小坂順子の同名小説を、「伊豆の踊子(1960)」の田中澄江が脚色し、「斑女」の中村登が監督した女性編。撮影は「続こつまなんきん お香の巻」の倉持友一。

1961年製作/90分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1961年6月9日

ストーリー

新橋の芸者たまきは、財界の有力者有本礼助の座敷で知った青年社長川津俊哉に心をひかれた。十五年前、たまきは医者の山名和彦と結婚して孝次を生んだ。和彦は看護婦とし子と関係したまきを裏切った。それ以来、たまきは習い覚えた踊りをもとでに花柳界に身を投じた。川津と関係したたまきは妊娠した。川津のすすめで子供をおろしたたまきは、銀座裏に家を持った。川津の心はたまきからしだいに離れていった。たまきは有本のすすめでバー“ラ・マン・ブランシュ”のマダムになった。川津がたまきの店に来た。彼への思慕は激しく燃えた。川津は冷かった。山名が死んだ報せがきた。大洗にあずけた孝次を訪ね、たまきは自分の心を慰めた。たまきは一人で旅に出た。車で芸者時代に彼女を狙っていた槙と会った。二人は宿を共にした。その後も二人は逢ったが、槙の無軌道ぶりにたまきは失望した。たまきの後輩のきみ子が川津の子供をおろし、槙が借金にきた。たまきは有本に忠告された。たまきは槙と手を切った。川津は秘書の木村を通じて、たまきと再会を申込んできた。たまきはきみ子のことを持出して断った。男の気持を知ったたまきは、孝次を引取り、バーをやめ、母子で暮す決心をした。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0花柳街物を以前から手掛けている田中澄江脚本で、歯切れ良いテンポもカット割りも快調な作品

2023年8月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

花柳街物を以前から手掛けている田中澄江脚本で、とても歯切れ良い展開と演出で、こりゃ面白い!な快作ですが、たまき(瑳峨 三智子)の元旦那や最初は善良に見えて狡猾さ全開の若手社長や見栄っ張りでケチなステレオタイプ的な大阪商人などの男性陣が、5分に一度の割合でバレバレ嘘や誤魔化しをして、やらかしていく姿には、苦笑を通り越して若干いたたまれない気持ちになる🥴

まともな男は、社長の部下で良心の呵責に苦しむ若い山本豊三や良い子過ぎるたまきの息子などがいるけど、たまきの世話人でもある財界の御意見番的大物は、かなり人を見抜けないボンクラ(問題発言🙇‍♂️)なのが痺れる😅

テンポもカット割りも快調な作品で、今回のプリントは傷などが少ないモノですが、恐らく原盤の問題で、色味に偏りや褪色劣化を感じるので、何らかの対策して欲しい作品だと思う。

中村登監督は、凝ったカメラワークや長回りや癖のある演出を余りしない職人気質の演出するので、優れた脚本があるといつも水準以上の作品を見せてくれる安定感がある。

以下余談
協力企業が大阪トヨペットなので、「コレ、トヨペット?」のタイアップなセリフと初代トヨペット・クラウン(1955〜62)推しだが、物語が進むにつれて、狡猾さ全開の社長さんが持ち主なので、逆宣伝じゃないのかな?🤔
劇中にトヨペット店と夜のネオンサインが、丁重にワンカットでバッチリ映るのはモロにタイアップ

鉄分多めの人なら大阪行きの電気機関車に牽引された特急(つばめ?)と当時の食堂車のシーンが気になると思う。🤔

61年当時の上野動物園と初代モノレールの動くカラー映像があるのは、ちょいと嬉しい😊

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