混血児リカ

劇場公開日:

解説

ハーフの不良少女が、敢然と悪徳商人に挑み、絶滅させるまでを、不良少女同志の対立、友情を挿入しながら描く。原作は“週刊明星”に連載中の凡天太郎の同名劇画。脚本は「鉄輪」の新藤兼人、監督は「闇の中の魑魅魍魎」の中平康、撮影も同作の杉田安久利がそれぞれ担当。

1972年製作/90分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1972年11月26日

ストーリー

青木リカ、十八歳、ハーフである。リカの母親加代は高校生の時、白人と黒人の米兵に強姦されリカを生んだのである。やがて加代はキャバレーで男の餌食になり、金融業者の広瀬の囲い者になっていた。そんなある日、リカは母の留守中に広瀬に処女を奪われ、それ以来、グレ出し不良少女の仲間へと入っていった。少年鑑別所、愛友学院には、リカと同じようなズべ公たちがいた。黒人との混血・花子、夜桜の令子、令子とは初対面から張り合った。そして学院の沼田先生はリカのあこがれであった。ある日、リカの手下が立花組に強姦され、ベトナムの慰安婦に売られるという情報が入った。脱走したリカは、広瀬を強迫、身代金としての三百万円を奪うが、時既に遅くベトナム行きの船は出港してしまった。その上、広瀬も立花組の一味でリカを襲うが、一匹狼・鉄の出現で失敗する。立花組はさらに鉄の愛人明美を誘拐。リカは単身立花組へ乗り込み、立花の出した、リカがクラブで踊るという交換条件を承諾した。数日後、リカは立花の子分サブが、極秘重要書類を強奪するのを目撃したことからサブを傷つけたため、立花組のリンチに合う。しかしふたたび鉄に救出された。復讐心に燃えたリカは、立花の部屋に侵入、リカのドスが一瞬閃き、立花の心臓深く貫いた……。リカは又愛友学院に護送された。ある日リカは令子との対決中、過失で山崎先生を死亡させてしまった。令子の証言が無いとリカは殺人罪になってしまう。ところが、令子は脱走し行方をくらましていた。令子を探しに、リカもふたたび脱走。沼田もリカを追った。波止場で、リカは鉄とめぐり会った。明美もベトナム行きだという。そして立花組のバックには大物大阪組があり、鉄はそのしっぽを掴もうとしているのである。数日後、令子から呼び出しがあったリカは、海岸埋立地へかけた。ところが、いざ決闘という時に大阪組が現われ、二人共捕われ、倉庫に監禁されてしまった。鉄は下水道を伝って倉庫にたどにつき、リカを救出。その夜二人は、凍えきった体を裸であたためあった。翌日、リカは広瀬を、今はスラム街で麻薬中毒と梅毒のため廃人となった加代のところへ連れていった。そして逃げようとする広瀬を加代にナイフを持たせ、殺さすのだった。真暗な海。鉄、リカ、そしてリカの子分たちが漁船に乗り大阪組の黒幕Z氏の乗る船に突進して行った。監禁されていた少女たちを救出、中には令子もいた。リカは令子と固く手を結んだ。やがて凄まじい大乱闘……。鉄も令子も死んでしまった。丘の上の教会で沼田先生の結婚式が行われている。駆けつけたリカが「おめでとう」とカンシャク玉を投げた。花嫁は気絶し式場は大騒動。突び出したリカは、オートバイに突び乗りどこかへと走り出した。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く