おばあちゃんの家

劇場公開日:

解説

都会育ちのわがままな少年と田舎の山村で素朴な暮らしを送る祖母のひと夏の交流を描き、韓国で400万人を動員するヒットとなったヒューマンドラマ。

母親と2人でソウルに住むサンウは、ある日、田舎のおばあちゃんの家へ連れて行かれる。母親が新しい仕事を見つけるまでの間、会ったこともないおばあちゃんと暮らすことになったのだ。話すことができず、読み書きもできないおばあちゃんをバカにし、不自由な山村の生活に不満を爆発させるサンウ。しかし、そんなわがまま放題のサンウを、おばあちゃんは決してしかることはなかった。孫の願いを一心にかなえようとするおばあちゃんの姿に、サンウも少しずつ心を開いていくが……。

監督は「美術館の隣の動物園」のイ・ジョンヒョン。おばあちゃんを演じたキム・ウルブンは、ロケ地となった韓国中部の忠清北道・永同(ヨンドン)の村に暮らしていた実際の住人で、演技未経験ながらも主演に抜てき。そのほかの村の住人たちも、実際に村に暮らす人びとをキャスティングした。少年サンウ役は、当時子役で後に映画「キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち」「朝鮮魔術師」などで活躍するユ・スンホが務めており、これが映画初出演作となっている。

2002年製作/87分/韓国
原題:The Way Home
配給:ハーク
劇場公開日:2023年1月6日

その他の公開日:2003年3月29日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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映画レビュー

2.0見た。

2023年12月31日
PCから投稿

感動作だが、あまり胸には響かなかった。

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プライア

4.0郷愁

2023年6月12日
PCから投稿

韓国では強い創作動機がキャリアをこえて映画を高品質にすることがある。たとえば子猫をお願いやおばあちゃんの家やはちどり。女性で寡作で初監督で、もう撮らないかもしれないが記憶に残っている。

日本では「映画監督になりたい」が動機なのでパッションが承認欲へ変わる。一方、韓国では「作品をつくりたい」が動機なのでパッションがクオリティに変わる。という感じ。

この映画を見ると監督の心中にずっとおばあちゃんの家がありそれを描きたかったことがよくわかる。
それは「キャラクター」なんていう生やさしいものじゃなく、たとえおばあちゃんがいない人でもわかる、万人の郷愁の中にいるおばあちゃんだったと思う。

近現代だが都鄙の文明格差がはげしい。
おばあちゃんは電気も水道もガスもない今にも崩れ落ちそうな苫屋に住んでいる。唖者。深い皺がきざまれたあばた面に困った表情。曲がった腰と白髪、陽に灼けて痩せた小さな身体、汚れほつれた前世紀の着衣。無欲で質素で文字通り虫も殺さず、仏のごとく温柔。ふしぶし痛むのに杖をついて僅かな産物を町で売っている。

都会育ちの孫は、おばあちゃんにひどいことばかりする。
縫った靴捨てられ、瓶割られ、かんざし盗られ、夜中に起こされて厠の供連れにされ、KFCが食べたいと言われてさんざん苦労して水煮をつくったのにそっぽむかれ、そりゃもうわがまま放題な目に遭い、そのたび悲しそうに胸に手をあてる。それが「ごめんな、ばあちゃんが悪いんだよ、ごめんな」と言ってるように見えるのだ。
ラストは「すべてのおばあさんにこの映画を捧げる」。

気持ちのこもった映画だった。

外国語のウィキにおばあちゃんを演じた女優について「批評家は78歳でこれまで演技をしたことがないばかりか、映画すら見たことがないという未熟なキムウルブンの演技を賞賛した」とあった。が、あれは演技というより素人の素(す)を引き出した結果だった。
おなじく素人の素を引き出したチャンイーモウのあの子をさがしてを思わせた。

公開時よりも後年に見たのだが監督の他の仕事を探した。子猫をお願いやはちどりを見たときのように。

ある映画に感動しても同監督の他作品に同じような感動があるわけではない──ことは知っている。たとえばソフィアコッポラにロストイン~と同格の映画はなかった。当たり前だとは思う。

が、映画ファンは感動や衝撃をうけると、同じ(ような)映画を探す──という行為をする。

探したとき、韓国の女性監督はその映画以外の仕事が(ほとんど)ない──ことがある。だがその1作のクオリティが高い。子猫をお願いもはちどりもおばあちゃんの家もそうだ。ゆえに監督になりたいという動機よりも作品をつくりたいという動機が強く感じられ、監督の心中にあったおばあちゃんの家が普遍性をたずさえ、みんなの郷愁の中にいるおばあちゃんになったのだ。と思う。

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津次郎

4.5ほっこり100%

2023年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

サンウのわがまま具合は、かなりなものなのだけど、かわいいのよ。

そして、おばあちゃん!

演じたキム・ウルブンさんは、ロケ地となった韓国中部の忠清北道・永同の村に暮らしていた実際の住人で、演技未経験だそうでなのですが、すごい!!
話すことも読み書きもできないのに、
孫への愛情が画面から溢れ出していた。

牧歌的な田舎の風景も、全てに心が癒された。

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hkr21

3.5自分が孫だった頃を思い出す

2023年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

いくら親とは言え、お金も渡さず下着と薬だけでいきなり孫を2ヶ月預かってくれと言う母親もなんだかなぁ…主人公のソンウがわがまま放題なのも親の躾のせいかなと思われる。
だがおばあちゃんは孫であるソンウを叱らない、わがままやいやがらせをしても叱らない。孫のわがままを叶えられないと申し訳なさそうにするだけである。そこには無償の愛情がある。

通常、親は子供に対して勉強して大学に入って欲しい、お金の稼げる良い仕事について欲しい、将来親の介護をして欲しい…などいろいろと勝手に期待をかけるしきたい通りに行かないと失望したり子供を叱ったりする。いまどきは祖父母でさえそうかもしれない。

しかし、この物語のおばあちゃんはただただ無償の愛情を注ぐだけだ。

映画を観てソンウのわがままに苛立ちながらも、自分が孫だった頃、祖父母のかけてくれる愛情に対して感謝しただろうか、もっと我が儘を言ってなかったか、祖父母の体調をきにかけただろうか、とふと思う。

大きな起伏のある話ではないが、誰もが孫だった頃を思い起こさせてくれる普遍性のある物語と思う。
このおばあちゃん役が演技経験のない素人の方と言うから驚きである。すでに他界されているそうでご冥福をお祈りしたい。

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Jax