望郷(1971)

劇場公開日

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解説

森進一のヒット曲『望郷』の映画化。脚本は七十年度キネマ旬報脚本賞を受賞した「男はつらいよ 純情篇」の宮崎晃。監督は山田洋次のチーフ助監督をつとめていた、大嶺俊順。撮影は「俺は眠たかった!!」の小杉正雄がそれぞれ担当。友子役の榊原るみは映画初出演。なお、大嶺俊順は昭和9年東京生れ。同35年早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。「いいかげん馬鹿」「九ちゃんのでっかい夢」では山田洋次と脚本も執筆している。これが監督昇進第一回作品。

1971年製作/85分/日本
原題:Home in My Heart
配給:松竹

ストーリー

松村友子は、病床の父に姉文江を逢わすために夜汽車で東京に向かった。文江は五年前、妻子ある男と恋愛事件を起こして父と衝突し、故郷を飛びだしてしまったのだ。それ以後は何の音沙汰もなかった。友子の東京行きのもう一つの目的は集団就職した中学の同級生の消息を知ることであった。東京に着いた友子は、新宿の片隅にある小さなバー“風花”を経営する文江を訪ねた。友子は、文江の変貌ぶりに驚ろき、文江もまた友子の大人びた姿に五年の歳月を感じた。友子は津軽の家のことを話した。文江の目前になつかしい故郷の風景が蘇った。だが、文江の口から帰るという言葉は出なかった。翌日、友子は、中学時代一番仲の良かった相川道夫に会い、道夫の知らせで、鈴木清、斎藤美代子にも会った。二人は同棲しながら、清は池袋でバーテンをし、美代子はヌードモデルをしていた。彼らにはもはや昔のおもかげはなかった。洋裁店に勤めている和子にも会ったが、なぜかその態度は冷たかった。友子は、文江の恋人であるレコード会社のディレクター高木が育てている森川のことを、文江から聞き、級友の森川ではないかと思い彼を訪ねるが、その期待は空しかった。しかし、森川の話を聞くうちに、若い二人は次第にうちとけた。翌日、道夫は友子を箱根にドライブに誘った。箱根には、妻子ある高木と別れることを決意した文江の姿があった。その夜、文江の帰らないアパートで、道夫は友子と一緒に故郷へ帰る約束をした。預金をおろし荷物をまとめた道夫は、最後の東京の夜を友子と過ごそうとしたが、友子に「つかれているから」と断わられ清を誘った。そしてその深夜の帰り道友子との約束もつかの間道夫は自動車にはねられてしまった。友子が帰る日、上野駅には森川信一郎が見送りに来ていた。友子が探している森川が、名古屋の方にいったまま消息不明だということを告げに来たのだ。それは文江の計いだったが、信一郎はもう一度、友子に逢いたかったのだ。“風花”に戻った信一郎は、デビュー曲「望郷」を唄った。わすれようとしていたはずの高木への愛が再び文江の心を強くしめつけた。

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