盛り場流し唄 新宿の女
劇場公開日:1970年5月30日
解説
夜の新宿ネオン街のホステス人生をつづった風俗ロマン篇。川内康範の原作『赤い血の恋』から、山村英司と「非行少年 若者の砦」の来栖三郎が脚本を共同執筆、監督は「女の手配師 池袋の夜」の武田一成。撮影は「非行少年 若者の砦」の萩原憲治が担当。
1970年製作/85分/日本
配給:ダイニチ映配
劇場公開日:1970年5月30日
ストーリー
夜の新宿。今日も流しの圭子が唄っていた。沙知子がアサのバー「ピロット」で働くことになったのは、父親が交通事故で重い罰金刑を受け、巨額の借金をつくったからだった。たび重なる好色の魔手から彼女をいつもかばってくれたのは、近くの店のマネージャー・波川だった。沙知子を店に紹介した友人礼子には、学生運動家の公二という恋人があったが、すでに愛想をつかしていた礼子は、引き抜き屋、村松の世話で、公二と別れ、新しい店「ドン」に移った。沙知子の妹、真理子も礼子のあとを追うようにうドンに店替えし村松と恋仲になった。一方、沙知子は、いつしか波川に好意を抱きはじめていたが、ある晩、彼女は店で舟木という実業家に紹介された。清潔そうなその態度に、彼女は好感をもった。そのころ、礼子は結婚サギにひっかかり、自殺した。舟木は沙知子の実家のある地区がハイウェイ予定地であることを知ると買収に乗り出した。彼は土地と沙知子を同時に手に入れたいと思うようになり、その手先に部下である波川を利用しようとしたが、沙知子を心底から愛する波川はきっぱりと断わるのだった。そのため波川は殺された。すべての絆をたたれた沙知子は、いよいよ一人で夜のネオン街に、生きていくことになった。