白く濡れた夏
劇場公開日:1979年7月7日
解説
一人の女を中心に、人生の夏を終えようとしている男と、これから夏を謳歌しようとす若者の姿を描く。脚本は「桃尻娘 ラブアタック」の金子成人、監督は「女教師 汚れた噂」の加藤彰、撮影は「桃尻娘 ラブアタック」の安藤庄平がそれぞれ担当。
1979年製作/97分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1979年7月7日
ストーリー
木口冴子は四年もつき合っているカメラマンの久野という恋人がいた。彼には妻がいるが、ギラギラする生き方に魅かれていた。ある日、二人の乗った車が事故を起こしてしまい、冴子は妻のいる久野を帰し、一人事故現場に残った。事故の件は冴子の父親の力でなんとか示談に持ち込めそうで、彼女は湘南の別荘に引きこもって生活を始める。そこで冴子は毎日オートバイで別荘の前を走る伸次と知り合った。そして、夏に自分達で海の家を経営しようとする伸次を慕う桃子、ロク、リエの若者達とも親しくなる。事故の後も、冴子は久野と会っていたが、かつてのような魅力を感じられない。それは、彼の仕事に、以前のような熱気がなかったからだ。伸次は冴子にオートバイの運転を教え始めてから、彼女に魅かれ、それは桃子を傷つけた。数日後、久野に会った冴子は、彼の仕事にかつての熱気がなくなってしまったことを率直に伝える。この言葉にショックを受けた久野は、土地の若者に冴子と桃子襲わせ、その写真を撮ってしまう。冴子の言った熱気とは激しいものを撮るということではなく、仕事に対する気持の問題であった。久野もそのことは分っていたが、今の彼には、そうすることしかできなかった。そんな久野と冴子に別れが近づいていたのは当然かもしれない。冴子にとって鏡だった久野が曇ってしまった今、冴子の夏は急速に色褪せようとしていた。その頃、桃子たちの海の家は、ようやくオープンをしたところであった。そこには、まぎれもない若者の夏の光がギラギラと輝きはじめていた。