ジムノペディに乱れる
劇場公開日:2016年11月26日
解説
日活の成人映画レーベル「ロマンポルノ」の45周年を記念し、日本映画界の第一線で活躍する監督たちが新作ロマンポルノを手掛ける「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の1作。「世界の中心で、愛をさけぶ」などで知られるラブストーリーの名手・行定勲監督が板尾創路を主演に迎え、不器用な大人の恋愛を美しい映像でつづった。映画監督の古谷は、スランプに陥り撮れない日々が続いていた。鬱屈した気持ちを抱える彼は、女たちに肌のぬくもりを求めてさまようが……。相手役にテレビドラマ「ディアスポリス 異邦警察」の芦那すみれ、「かしこい狗は、吠えずに笑う」の岡村いずみ。
2016年製作/83分/R18+/日本
配給:日活
スタッフ・キャスト
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2016年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
「低予算、早撮り、本編時間は7、80分程度、10分に一度は絡みあり」そんなルールのもと大量生産されてきたロマンポルノ。その再興を謳った今回の第一弾もかなり変わった味わいに仕上がっている。台詞や演技も地表から数センチ浮遊しているように特殊で、ファンタジー、あるいは白昼夢と言ってもいい。だがその特殊性を板尾創路が体現するとなぜかしっくりときてしまうのだから不思議だ。悲哀とおかしみ、若干何かに取り憑かれたような表情が同時成立するとはなんたる俳優であることか。
エロスだけではない。本作にはミステリー色も漂う。「なぜ彼はやりまくるのか?」といった、ロマンポルノにあるまじき命題にもきちんと落とし所を作ろうとする。さらに劇中では主人公の口を借り「映画とは」「愛とは」との言葉も。そういった細部の息遣いに行定監督の濃厚な作家性を感じ取れたことは収穫だった。誰より裸になったのは監督自身だったのかもしれない。
2022年10月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
退廃的な映画人が妙にリアルに描かれている印象です。
板尾創路のクズっぷりは見事でした。
良かったです。
2021年1月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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<思い出し/うろ覚えレビュー>
二ヶ月ぐらい前に鑑賞。行定勲監督作品コーナーの中で異彩を放っていたので、思わずレンタル。といっても、日活ロマンポルノリブート!とか知らなかったし、そもそも日活ロマンポルノ作品を多分、ほとんど観たことないので、比較対象がない。
全体が90分くらいで、10分に一回の濡れ場。そうなってくると、いわゆる普通の映画の設定やストーリー展開から離れなければ難しいよね。男一人だとどうしてもギャルゲー感(もしくはハーレム感)は出てしまうかも。
主人公と、主人公が手を出した女の子とその彼氏の3人?で追いかけっこになるシーンとか、面白かった。滑稽さと切なさを同居させられるあたり、さすが。
板尾さんが跨線橋と線路沿いを走るシーン、ここどっかで見たな、と思ったら、地元でした。なんかラッキー(笑)
あと、芦那すみれちゃん、かわいいです。顔と声と体が。
タイトル通り、全編通してサティのジムノペディが流れてるんですけど、この曲のアンニュイな感じってすごいなって。汎用性高い。
2020年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
行定監督はスタイリッシュな愛情表現を美しい映像で撮る事に定評のある監督だと思うが、この”日活ロマンポルノ・リプート・プロジェクト”による1作も過去のテイストを崩すことなく、且つ日活ロマンポルノで用いられてきた映像手法を巧みに取り入れた秀作に仕上げられている。
行定監督自体は日活ロマンポルノでの経験は無いものの、R作品で通常用いられるモザイクを使用することなく、陰部を絶妙なカメラワークで隠すロマンポルノ独特の技法はここでもオマージュとして取り上げられている。またキャストも板尾創路が独特な存在感で女に溺れる鬱屈した日々を演じる他、競演する女優陣についても特に芦名すみれの透明感ある演技は見事に行定ワールドにマッチしていたと思う。