主婦の体験レポート 新・おんなの四畳半
劇場公開日:1975年12月24日
解説
“おんなの四畳半”シリーズ第三作目。下町を舞台に長屋風のアパートの住人たちの生活とセックスを笑いと涙を混えて描く。原作は香山佳代の小説『おんなの四畳半』。脚本は「新・レスビアンの世界 陶酔」のいどあきお、監督は「主婦の体験レポート 続おんなの四畳半」の武田一成、撮影も同作の安藤庄平がそれぞれ担当。
1975年製作/76分/日本
配給:日活
劇場公開日:1975年12月24日
ストーリー
小料理屋を営む宮子はいたってやさしい女で、今日も酒の席でつい抱かせてやると約束してくれた、というので張り切って来たクリーニング屋の神保を邪険にする事もできず、奥の小座敷で寝てしまうといった具合である。そんな宮子に惚れたのがお相撲さんでまだザンバラ髪の新弟子・太一。太一は宮子の店に一人では行けず、兄弟子の関取・北川を連れだってやって来た。ところが、宮子と北川は昔つき合っていた仲で、その夜、二人は久し振りに体を求め合った。太一は一人で部屋に戻るのだった。宮子の住んでいる寿荘は、かなり古いボロアパートで、他の住人たちの生活は互いに手に取るように分ってしまう。冴子と道子は洋裁学校の生徒で、年頃のせいかセックスへの関心が強く、神保を部屋に引き入れては喜んでいる。キャバレーのホステス・銀子は宮子と仲が悪く、些細な事でいつも喧嘩をする。研ぎ職人の利一と菊子の夫婦は、利一が早漏のため、欲求不満がつのった菊子は、やくざ者と浮気をして家出してしまった。利一に同情した宮子は、彼を力づけようと寝てやったのだが、銀子がその事を知り、中傷したために、宮子はアパートの住人たちから白い眼で見られるようになってしまった。宮子のやさしい気持をよく理解しているのが、大家の喜多村で、宮子は喜多村のたっての望みで、彼に体を許した。ところが、張り切りすぎた喜多村は腹上死してしまった。ショックを受けている宮子に、住人たちは批難を浴びせたのだが、その時、家出していた菊子が戻って来た事から、一同は水をさされたように静まり返ってしまった。数日後、喜多村の息子が、傷心の宮子を訪ねて来た。死んだ喜多村が遺書代りに吹き込んだテープが出て来たのだ。その遺言により、毎年恒例の忘年会を、今年も派手にやってほしいというのだった……。