小松みどりの好きぼくろ

劇場公開日:

解説

宗教団体の実権を握ろうとする男たちの野望に立ち向かう教祖の娘の姿を描く。脚本は「美姉妹・剥ぐ」の佐伯俊道、監督は「愛染恭子の未亡人下宿」の山本晋也、撮影も同作の志村敏雄がそれぞれ担当。

1985年製作/79分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1985年8月3日

ストーリー

二十八歳の赤嶺紫雨子は“仙道王呪教”の本部に、教祖であり、父親である岳堂の葬儀のために八年ぶりに帰ってきた。紫雨子が十歳のとき、母の夕子は首を吊って死んだのだが、実は、事務局長の野々村と関係を結び、それが発覚しないようにと彼が自殺に見せかけて殺してしまったのだ。そして、紫雨子が二十歳になったとき、野々村は彼女を犯し、厳しい父にその事実を伝えられない彼女は家を出たのだ。それから八年、岳堂の死で、信者は紫雨子を教主として教団を盛りたてようとするが、野々村は面白くない。一方、紫雨子の妹、霞は美しい娘だか、時たま狂ったように男を求める病魔にとりつかれ、野々村は配下の男たちを彼女にあてがっていた。祭事を行なうカリスマ性を発揮、信者の信望を集め、野々村は息子の幹生を彼女と一緒にさせることで、教団の実権を握ろうとする。幹生に紫雨子を犯させるが、幹生はいつしか紫雨子に溺れてしまう。そんな紫雨子を頭の弱い湯番の六郎が慕っていた。彼は紫雨子の面倒を子供の頃から見ていたが、二人の間に愛が生まれるなど考えられるはずがなかった。紫雨子は幹生を求める自分に苛立ち、六郎が慕う心を吐露しようとすると、“おまえのようないやらしい目で見られるのは不愉快だ”と罵倒する。その頃、男と別れ教団に転り込んで紫雨子を尊敬する初美という女が、紫雨子に母親の死と野々村の野望を伝えた。紫雨子は本殿に野々村や教団の首脳を集め、彼の陰謀を語り失脚に追い込む。幹生は父の命令とはいえ、紫雨子を犯したことに心を痛め、彼女も幹生の純真な心に打たれるが別れる決意をする。それは、六郎が、紫雨子の怒りにまかせて言った言葉通り、自ら眼をつぶしてしまったからだ。この狂心的な愛に、紫雨子は六郎を生涯背負い続けようと心に決めた。数日後、ある小料理屋で、忘れられぬ幹生との一夜の思い出を胸に、店を切り盛りする紫雨子の姿があった。

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