刺青(1984)

劇場公開日:

解説

スターを目前にしながら刺青を彫られてしまい、堕ちていく女と、彼女に群がる男たちの姿を描く。谷崎潤一郎の同名の小説を、舞台を現代に移して映画化したもので、脚本は「オン・ザ・ロード」の那須真知子、監督は「唐獅子株式会社」の曽根中生、撮影は「女子大生温泉芸者」の森勝がそれぞれ担当。

1984年製作/77分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1984年12月22日

ストーリー

歌手の石原麻美はスターを決定づけるコンサートを翌日に控えていた。その麻美のマンションに、スポンサーで神崎財閥の一人娘、典子がやってきて、ラブホテル替りに使わせてくれという。屈辱に耐えて、麻美は典子のベンツで夜の街に走り出すが、オートバイの青年をハネてしまう。マサルという青年は、麻美に事故の代償に体を求めた。そこへ、安藤と沢村という男が現れ、マサルを殺すと麻美を連れ去っていく。二人は麻美を典子と勘違いしていたのだ。典子ではなく歌手の麻美であると知った二人は、彼女に刺青を入れると、クズのように処分しようとする。二人はヤクザの川島に麻美を売ろうとした。フリーライターの野村を呼んで相談するが、川島は結局、彼女を買わなかった。一方、野村は歌手としての麻美を評価しており、刺青を彫られたその姿に愕然とする。安藤たちは、麻美が金にならないと知ると、山中で殺そうとするが、頭の弱い子分の竜也に助けられ逃げ出していく。ゆきずりの男を相手に金を得ていた麻美だが、行くところもなく、安藤たちのところに戻っていった。それから安藤たちは、麻美の妖しい魅力に入れ込み、サラ金から金を借り、さらに銀行強盗を企て事故死してしまう。一方、野村はやっと麻美を見つけ、歌手としてカムバックさせると熱い思いを伝えた。しかし、麻美は自堕落な女を演じ続け、野村に、典子を誘拐しろと迫る。計画は成功するが、竜也が典子を殺害してしまう。竜也を残して逃げる野村を、麻美がなじる。逆上した野村は麻美をレイプ、彼女の顔は苦々しく歪んた。事後バスルームで麻美は野村を刺し殺してしまう。一番好きな男に「こんな私を抱いてほしくなかった、好きだったの……」と呟く麻美の背中の刺青が悲しそうだった。

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