嵐を呼ぶ男(1983)
劇場公開日:1983年8月4日
解説
音楽界を背景に、一人のドラマーの大いなる夢、ライバルとの熱い友情、母親との葛藤、マネージャーとの愛を描く。原作、脚本、監督は、かつて本作品を石原裕次郎主演で映画化した井上梅次、脚本は他に「三等高校生」の播磨幸治、撮影は「赤い帽子の女」の姫田真佐久がそれぞれ担当。主題歌は、近藤真彦(「ためいきロ・カ・ビ・リー」)。
1983年製作/132分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1983年8月4日
ストーリー
人気ロックバンド、ファイブジョーカーズの日本縦断コンサートは大成功を収めた。コンサートをプロモートしたマネージャーの福島美弥子は幸福感でいっぱいだったが、その直後、人気最高のボーカル兼ドラムスの桜井直人が、更にビッグになるために彼女の許を離れ、持永プロに移籍して新グループを結成すると言う。怒った美弥子は直人の後任に先日、魚河岸でドラムを練習しているのを見かけた国分良を迎えようとする。チャンス到来と喜んだ良は、ファイブジョーカーズのドラムスとしてデビュー、次第に人気を集め始めた。直人の人気が良に喰われてゆくことに危機感をおぼえた持永は、今のうちに叩き潰そうと直人と良のドラム対決を企画する。美弥子は名ドラマー・レイモンド村木に良を基礎から鍛え直してもらおうと、ファイブジョーカーズのハワイ・マウイ島合宿を始めた。豪華客船上での厳しい特訓が続き、良は次第にテクニックを身につけていった。対決の前日、リハーサル中の良を、母、明子が訪ねて来て、弟の英次が二日も家を空けているという。明子から責められた良は、英次が入ったというパンクロック・グループの所へ彼を連れ戻しに行くが、パンクロッカーたちと大乱闘になり大ケガを負ってしまう。そして公演日、苦痛のためテンポが狂った良を直人がバックアップ、場内は熱狂の渦に包まれた。良の負傷は持永のたくらみと知った直人は、持永プロとの契約を破棄してしまい、怒った持永は直人が二度とステージに立てないように手を回す。一方、良は遂にヒットチャートNo1に躍り出た。そんな時、音楽評論家の左京徹から父、国分洋一郎が残した一枚のレコードを贈られ、そのトランペットに感動した良は、明子の誕生祝いにとプレゼントするが、明子は「音楽に溺れ、母子三人を捨てた男を許せない」とレコードを叩き割った。偶然、直人と再会した良は、持永に彼が仕事に戻れるよう願い出て、代わりに自分が移籍することを約束する。良から独立を言い渡された美弥子は、良のアパートを訪ね、「戻ってほしい」と愛を告白した。そこに明子から英次が金を持ち出したと電話が入り、ライブハウスに乗り込んだ良は、英次を救おうとして右手を叩き潰されてしまった。良は明子の病院に運ばれ、やっと良に心を許した明子は右手を手術した。そして、ファイブジョーカーズのコンサート当日、ケガをした良の変わりに直人がステージに立った。途中、良が姿を現し、彼のドラムもセットされ二人の熱い演奏が始った。