軽井沢夫人

劇場公開日:

解説

夏の軽井沢を舞台に、上流社会にくいこもうとする青年の野望と挫折を描く。嵯峨島昭の同名小説の映画化で、脚本は「ズームアップ 暴行白書」のいどあきお、監督は「奴隷契約書」の小沼勝、撮影は「キャバレー日記」の前田米造がそれぞれ担当。

1982年製作/93分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1982年8月6日

ストーリー

苦学生・紫藤純一は、上流階級にくいこもうと、夏の軽井沢で高級レストランのウェーターとしてアルバイトを始めた。数日後、紫藤は中川総業社長の別荘でのパーティーに、ウェーターとしてレストランから派遣された。紫藤はそこで、政財界の大物や、盛装した夫人、令嬢の中で、中川夫人、佳子に釘づけにされてしまう。佳子に見惚れた紫藤は、銀皿を落としてしまい、中川は彼を責めた。しかし、佳子が紫藤をかばった。翌日、クビになった紫藤は、偶然、息子の有一を連れた佳子と出会った。愛人と暮らす中川と離れて、佳子は孤独な日々を送っていた。クビになった紫藤に同情した佳子は、彼を有一の家庭教師に頼むことにする。紫藤は野望の足がかりをつかんだのた。そして、佳子と紫藤が関係を結ぶのに時間はかからなかった。しかし、紫藤が住むことになった佳子の亡くなった姉の別荘には、佳子の姪の亜矢や彼女の恋人で岡崎財閥の御曹子、雅和がおり、紫藤をさげすんだ。数日後、その雅和が紫藤に、アメリカで殺人を犯し酒島という警視に追われていることを話した。そして、追求の手から逃れるために、自分を死んだと思わせようと擬装殺人を考え、紫藤に協力を求めたのだ。その晩、約束の時間に紫藤と亜矢は雅和を訪ねるが、そこには、すでに殺された雅和の死体があった。嫌疑がかかるのをおそれた紫藤は死体を埋めると、亜矢に、もはや二人は共犯者だと威し、結婚を迫った。紫藤と亜矢がレストランで食事をしていると、有一を連れた佳子と出会い、二人が婚約したことを告げる。ショックを受けた佳子に、紫藤はすべてを話した。佳子は彼の話が真実かどうか確かめるために警察に通報してしまう。その結果、雅和の死体が発見され、紫藤は窮地に追いこまれてしまう。そして、紫藤は亜矢を車に乗せ、ハイスピードで疾走、誤まって列車に激突、二人は即死してしまった。紫藤の死の知らせに、遺体安置所に出向いた佳子は、そこで、酒島警視に、雅和殺害犯は紫藤でないことを聞く。佳子は、事故で切断された紫藤の首に近づくと、唇に接吻をする。軽井沢の夏は、何事もなかったかのように終ろうとしていた。

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