スターダスト(1990)

劇場公開日:

解説

年上の女性に恋した少年のひと夏を、叙情豊かなアイルランドの風景を織りなして描いた物語。監督は「俺たちは天使じゃない」のあと凱旋帰国したニール・ジョーダン、製作はスティーブン・ウーリーとレドモンド・モリス、撮影は「危険な関係」のフィリップ・ルスロ、音楽はアン・ダッドリーが担当。出演はビヴァリー・ダンジェロ、ドナル・マッキャンほか。

1990年製作/イギリス
原題:The Miracle
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
劇場公開日:1991年6月1日

ストーリー

アイルランド、ダブリン近郊のひなびた海辺の町。パブのジャズバンドでサックスを吹いている父と2人暮らしのジミーは、恋人というよりは兄妹のようなローズと共に退屈な夏休みを過ごしながら、“この夏は何かすごい体験をしよう”と約束する。ある朝、この街にはにつかわしくないほどの美女・ラネイが駅におりたった。ジミーもローズも興味津々で、やがて何かとちょっかいを出すうち、ジミーはラネイに恋してしまい、彼女の後を追いかけ回すが、そのうち彼女がダブリンにやってきた小さな劇場の主演女優だとわかる。ローズも同じ頃、サーカス一座の象使いの青年とつきあい始めた。ジミーのラネイへの想いはますます募り、昼も夜も彼女のところへ押しかけるが、ラネイは彼を嫌ってもいないが愛を受け入れるふうでもない。そんなジミーを父・サムはしきりに気にし、干渉してくる。サムもラネイと知り合いらしく、パブの片隅で話し込んでいたりする。やがて父はもうラネイとつき合うなと言い、ラネイもジムにもう会いたくないという。怒りと酔いにまかせてラネイを家に連れ込むが、言い争いとなり、ラネイの置き忘れていったバッグの中の写真から、ジムは重大な秘密を知る。ラネイは、死んでしまったと聞かされていたサムの母親たったのだ。やがて劇団は街を離れる日が来て、ラネイも去っていく。そしてサムも父もそこに残り、また同じ毎日が始まるのだった。

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映画レビュー

5.0映画にまつわる最良の思い出

2017年5月22日
PCから投稿

悲しい

幸せ

ビバリー・ダンジェロの歌うスターダストに、主人公の少年が静かなピアノ伴奏をかぶせていくシーンがとてつもなく切ない。
少年の女友達の献身ぶりもこれまた切ない。
どこか寂しげな海辺の情景と、登場人物を取り巻く悲しい宿命とがあまりにも噛み合いすぎて、初めて、しかも一度きり観た20代前半の夜のアパートでずっと涙が止まらなかった。
なぜこの作品をもう一度観る機会に恵まれないのか不思議でならない。ニール・ジョーダンの作品は、モナリザやインタビュー・ウィズ・バンパイアばかり評判だが、本作こそ彼の隠れた代表作だと、今でも信じている。
DVD化を切に希望する。

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Masa_king01

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