マヅルカ

解説

「未完成交響楽(1933)」「たそがれの維納」に次ぐヴィリ・フォルスト監督作品で、「君を夢みて」のハンス・ラモーが脚本を書卸したもの。主役は「禁断の楽園」「帝国ホテル」のポーラ・ネグリが復活してつとめ、フォルスト発見の新人インゲボルク・テーク、舞台から招かれたアルブレヒト・シェーンハルス、「トンネル」「F・P一号応答なし」のパウル・ハルトマン、「コスモポリス」のフリードリッヒ・カイスラー、「桃源郷」のインゲ・リスト、目下来朝中のルート・エヴェラー等が助演している。撮影は「月世界の女」「狂乱のモンテカルロ」のコンスタンチン・I・チェット、音楽は「ジャンダーク」のペーター・クロイダー、が夫々担当している。

1935年製作/91分/ドイツ
原題または英題:Mazurka

ストーリー

中欧の或都市の出来事である。音楽学校の女学生リーザは数年前に父と死別してから母親のキロフ夫人と二人、女中一人を置いて静かに平和な日々を送っていた。ある日母のキロフ夫人は急用の為に一晩泊りで旅行した。もの心ついてから母と別れた事のないリーザは、たとえ一晩でも一人ぼっちになる事に何かしら不安を感じながら、停車場で母と別れのキスをしたのだった。そして停車場を出ると、彼女は中年の一紳士がじっと自分を見つめているのに気付くと故もなく心が動揺するのだった。彼女はその晩のピアニストのミハイロフのピアノ独奏会の招待券二枚を持っていた。それは何人が送ってくれたのか見当がつかなかったが、友達のヒルデは無理にリーザを促して二人でピアノを聴きに行った。ミハイロフその人こそ昼間リーザを見つめていた紳士に相違なかった。招待券も彼が送ってくれたのであった。翌日リーザは音楽学校の自習室でミハイロフに会った。ミハイロフは受持ちの教授の代りにリーザに講義をするというのだ。そして講義もそこそこにミハイロフはリーザに恋を告白した。熱烈な彼の口説きはリーザを動かした。許すとしもなくリーザは唇を彼に許した。そしてその夜別れの盃を挙げる約束をさせられてしまった。家に帰って旅から戻った母と口をきくのさえリーザはうしろめたい心地がした。そして前夜は映画見物に行ったと心にも無く嘘を吐いたのであった。夜、母が眠ったのをみてリーザは家を抜出した。ミハイロフはとあるキャバレエへ彼女を連れて行きシャンパンの酒盃を重ねた。舞台ではヴェラ某と名乗る唄い女が流行歌を歌い出した。そのヴェラがミハイロフのボックス近くに来た時、何に驚いてかヴェラは失心した。ミハイロフは急に帰ろうと言ってリーザと共に出口へ急いだ。その時背後からヴェラはミハイロフを射殺した。裁判の日ヴェラは殺人の理由を述べなかったが、述べねばならぬ羽目となるや、彼女は風俗壊乱の故を以って、公判の不公開を主張した。そして公判は秘密に続けられた。ヴェラは果して如何なる事を告白するのであろうか。

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