うずまき(1945)
劇場公開日:1948年7月
解説
「生と死の問題」(「天国への階段」)によって盛名をはせたマイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーが製作したアーチャーズ作品で「生と死の問題」「ブリムプ大佐の生涯と死」と同じくパウエルとプレスバーガーが協力して原作脚色監督した。主演者は舞台劇スターで映画でも「ピグマリオン」「バアバラ少佐」に主演しているウェンディ・ヒラーと、「生と死の問題」「ブリムプ大佐」のロジャー・リヴシーで、パメラ・ブラウン、フィンレイ・カリー、「捕われた心」のバレマーゴット・フィッツシモンズ、「七つの月のマドンナ」のナンシー・プライス、マード・モリスン、C・W・Rナイト大尉等が助演する。撮影はアーウイン・ヒリヤーで、音楽はアラン・グレイが作曲、美術監督はアルフレッド・ジュネである。
1945年製作/イギリス
原題または英題:I Know Where I'm Going
劇場公開日:1948年7月
ストーリー
今次大戦の末期のころである。合同化学工業に勤めている二十五歳のジョーン・ウェブスターは、どうして仕とめたものか、社長サー・ロバート・ベリンジャーに結婚を申込ませることに成功した。彼女の父と同年配であるが、イギリス屈指の大富豪であるところがジョーンの狙いである。社長さんはスコットランドの西北、ヘブリデス諸島の一島キローランに別荘を借り、そこで結婚式をやろうと、一足さきに赴いて準備を整えた。いよいよジョーンは花嫁衣装を入れたトランクをさげて乗込むこととなり、キローランを指呼の間に望むマル島まで来たが、濃霧のために船が出ない。一週間の賜暇でキローランに帰郷する海軍士官トークィル・マクニールは、波止場で会ったジョーンに、ホテルがないから知合のキャトリーナ・マクレーンの家に泊れと勧める。彼女は是非渡りたかったが、迎えの船も来ないので、キャトリーナの家に一泊する。所が強風でまた船は出ない。やむなくトークイルの案内でトバモリーのホテルに投宿し、ベリンジャーと無電で話す。翌日も風は強い。ジョーンはベリンジャーの勧めに従い、ソーン城に疎開しているロビンソン夫妻を訪ねる。その午後夫妻と共にレベッカ・クロジアという未亡人を訪ねると、トークイルが来ていた。その日はレベッカの老園丁の結婚六十年祝賀宴で、大賑いであった。招待されてジョーンもトークイルを相手にダンスをした。その翌日も風は吹きやまない。渡航船の船頭ルーリ・モーが歯医者に行った留守、ルーリの娘ブライディの婚約者ケニイに二十ポンドを与えてジョーンは船を出させようとする。ブライディは断念して泣いて願ったが、ジョーンはきかない。キャトリーナはトークイルに、ジョーンを愛するなら行って助けようという。彼は危うく船に飛乗った。荒浪に船は搖れてジョーンの花嫁衣しょう入りのトランクもさらわれてしまう。しかもモーターが水をかぶって停止し、コリヴレッケンの大渦巻は近い。トークイルは分解して掃除した上、組立てて漸くモーターを直し島へ引返した。翌日は風はなぎ上天気で、キローラン行の船も出るが、もうジョーンは行かなかった。彼女はトークイルとモイ城の廃きょに相抱いていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- マイケル・パウエル
- エメリック・プレスバーガー
- 原作
- マイケル・パウエル
- エメリック・プレスバーガー
- 製作
- マイケル・パウエル
- エメリック・プレスバーガー
- 撮影
- アーウィン・ヒリヤー
- 美術
- アルフレッド・ジュネ
- 作曲
- アラン・グレイ
- 指揮
- ウォルター・ゴール
- 音楽演奏
- Members of the Glasgow Orpneus Choir
- 助監督
- George Turnstall