女優ナナ(1926)

解説

エミール・ゾラの有名な小説『ナナ』を映画化したもので、ピエール・レトランゲズ氏が脚色しジャン・ルノワール氏が監督製作した特作品である。主役ナナはカトリーヌ・エスラン夫人が演じ「恋の凱歌」「スルクーフ」等出演のジャン・アンジェロ氏と「真夏の夜の夢(1925)」「裏町の怪老窟」等出演のヴェルナー・クラウス氏とが共演し、「巴里」出演のジャクリーヌ・フォルザーヌ夫人、ジャック・カトラン氏令弟レイモン・ゲラン・カトラン氏、ピエール・フィリップ氏、ヴァレスカ・ゲルト嬢等が助演している。無声。

1926年製作/フランス
原題または英題:Nana

ストーリー

皇后侍従ミュッファ伯爵はヴァリエテ座上演中の「ブロンドのヴィナス」主演の女優ナナを一方ならず贔負にしていた。ナナは卑しい売春婦で何の才能もなかったが其の美貌と伯爵の後援とで当時パリの人気を一身に集める流行の女優となったのであった。伯爵は親友のヴァンドゥーヴル伯爵の忠告にも耳をかさずナナを名女優に仕立てようと試み、昨日の売女にあらゆる贅沢を許していた。ナナはヴァンドゥーヴル伯爵の甥で後見を解かれた学生のジョルジュ・ユゴンを情人にしていた。ヴァンドゥーヴルは甥の身を案じナナを訪れてジョルジュと切れてくれと頼んだ。ナナはとぼけて子供なんか相手にしないといい伯爵に媚を呈した。彼はナナがミュッフィ伯爵の妾であることを知りながら其の魅惑を敵にはできずナナを恋してしまった。彼は自分の愛鳥までナナと命名した。しかし彼にはナナを完全に自己の所有物とするには余りに貧しかった。彼は遂に窮余の一策として競馬会の折に不正手段を構じて少しの金銭を得たが不幸にも彼の不正が暴露し、彼の総ての友達は勿論、ナナにも背かれてしまった。彼はナナに結婚を申し込んで拒絶されるや遂に厩で毒を仰ぎ厩に火を放って死んだ。また、かのジョルジュも結婚を拒絶され、ミュッファ伯爵とナナが戯れている最中、隠れていたナナの衣装室で鋏で心臓を突いて自殺した。ミュッファ伯爵はナナの及ぼす影響に戦慄して帰って見ると伯爵夫人は其の情人と出奔してしまっていた。ナナは情人を一時に二人も失って嘆いたが友達に誘われるままに憂さ晴らしにマビイユというダンスホールに行って狂態の限りを尽くした。それを知ったミュッファ伯爵は愛憎を尽かして彼女と絶縁することを宣告した。ナナは驚駭して倒れ熱病になった。医師は急性の天然痘と診断した。総ての友達は昏迷しているナナを残して去った。しかし伯爵は此の憐れな女の魂が救われることを願い、伝染の危険をも忘れてナナの臨終の枕辺に侍して其の魂の救いを祈った。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く

他のユーザーは「女優ナナ(1926)」以外にこんな作品をCheck-inしています。