黄色の部屋
解説
フランス探偵小説作家としてモーリス・ルブランと共に世界的に有名なガストン・ルルーの傑作『黄色の部屋の秘密』をトーキー化したもので「金」「バラライカ」のマルセル・レルビエが脚色監督し、「掻払いの一夜」と同じくビュレルとニコライ・トポルコフが共同で撮影した。出演者は、「ケエニクスマルク」「犠牲」のユゲット・デュフロを始め、コメディー・フランセーズ座付きのマキシム・デジャルダン、新人ローラン・トゥータン、マルセル・ヴィベール、エドモン・ヴァン・ダエル、レオン・ベリエール、キッサ・クープリーヌ、ピエール・ジュヴネ等である。
1930年製作/フランス
原題または英題:Le Mystere de la Chambre Jaune
ストーリー
フランスで最も篤学な科学者と伝われるスタンジェルソン教授はパリから程遠からぬサント・ジェヌヴィエエヴの森の中にあるグランディエ城に篭居して研究に余念がなかった。教授は最愛の娘と二人で、淋しいけれども平和な生活をしていた。スタンジェルソン嬢は頭脳明晰であるとともに美貌をもって聞こえているので、結婚申し込みは降るほどあったが、何故か全て蹴って四十に近い今日まで独身を通していた。しかし最も熱心な求婚者ロベエル・ダルザックだけは週末毎にパリから訪れて、嬢に求愛したので遂に嬢はダルザックと婚約を結んだ。ところがある晩教授の実験室に隣つている令嬢の部屋から悲鳴と銃声が聞こえた。令嬢の部屋は実験室と相通じる扉が一つあるきりで、他に出入口はなく、窓には頑丈な鉄の枠がはめてあり、黄色の壁紙を張り詰めてあるのである。教授が驚いて入ろうとすると部屋は内側から鍵がかけてあった。そこで下男と力を合わせて漸く扉を破ってみると嬢は、頭に瀕死の重傷を負って床に倒れていた。パリ警視庁からは名探偵フレデリック・ラルサンが派遣され、取り調べの結果婚約者ダルザックが下手人であると断じた。ところがパリの年若い記者ジョゼフ・ルレタビュは探査と推理によって真犯人が他にあることを確信し、ダルザックが法廷に断罪される日に下手人は名探偵ラルサンであることを立証した。しかしそのときラルサン実は盗賊バレイエルは早くも風を喰って姿を眩ましていた。ルレタビユは如何にしてラルサンが犯人であるか、犯罪は何うして行われたか、を証明し得たであろうか?
スタッフ・キャスト
- 監督
- マルセル・レルビエ
- 脚色
- マルセル・レルビエ
- 原作
- ガストン・ルルー
- 撮影
- レオンス・H・ビュレル
- ニコライ・トポルコフ