続・夕陽のガンマン 地獄の決斗

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劇場公開日:2024年3月22日

続・夕陽のガンマン 地獄の決斗

解説・あらすじ

名匠セルジオ・レオーネとクリント・イーストウッドが「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」に続いてタッグを組み、3人の流れ者が大金を巡って繰り広げる熾烈な争奪戦を描いた大作マカロニ・ウェスタン。

南北戦争末期のアメリカ西部。“善玉”ブロンディと“卑劣漢”テュコはコンビを組み、詐欺まがいの手口で賞金を荒稼ぎしていた。ある日、彼らは瀕死に陥った兵士から、巷で噂されていた20万ドルの金貨の隠し場所を聞く。ブロンディとテュコは互いを出し抜く機会を狙いながら大金の行方を追うが、そこへ以前からその大金を探していた“悪玉”エンジェルも加わり、三つどもえの戦いが幕を開ける。

ブロンディをイーストウッド、エンジェルを「夕陽のガンマン」のリー・バン・クリーフ、テュコを「荒野の七人」のイーライ・ウォラックがそれぞれ演じた。エンニオ・モリコーネによる音楽も印象を残した。

1967年製作/178分/イタリア・スペイン・西ドイツ合作
原題または英題:I due magnifici straccioni
配給:アーク・フィルムズ
劇場公開日:2024年3月22日

その他の公開日:1967年12月23日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5 痺れ、病みつき、脳天を撃ち抜かれる!

2024年3月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

幸せ

主演クリント・イーストウッド、監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネのトリオによる3大傑作、“ドル3部作”と呼ばれている「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」に続く3作目です。

前2作よりもコメディ色を強めながら、迫力のアクションと圧倒的なスケールでボリュームアップしています。イーストウッドが演じる賞金稼ぎ、イーライ・ウォラックが演じるお尋ね者、「夕陽のガンマン」にも出演したリー・バン・クリーフが演じる捕虜収容所長がクライマックスに対峙し、撃ち合う前の緊張感が張り詰めた名シーンには何度見ても痺れます。

モリコーネの印象的な音楽、哀愁のメロディーが全編を包み込み、レオーネのスタイリッシュな演出の特徴である超クローズアップ、急速なズーム、パンフォーカス、地面からややあおり気味のローアングルなど、鮮烈で斬新なショットやカメラワークは一度見たら病みつきになります。

そして、目深に被ったハット、無精ひげにタバコをくわえ、ポンチョを着こなす孤高のガンマンという映画史上のアイコンとなったイーストウッドが演じるキャラクターの眼光鋭くニヒルな表情とクールな存在感に、脳天を撃ち抜かれることでしょう。

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和田隆

4.0 南北戦争を背景とした娯楽西部劇の面白さと、シリアスな戦争叙事詩の不思議な魅力

2025年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

斬新

ドキドキ

黒澤明監督の傑作「用心棒」をリメイクしたマカロニ・ウェスタンの「荒野の用心棒」を契機に連続ヒットしたシリーズ(ドル箱三部作)の最終章にして、アメリカ資本を加えての娯楽大作の威容を存分に備えた西部劇の力作巨編。セルジオ・レオーネ監督(1929年~1989年)の演出エネルギーが178分の全編に行き渡り、見応えと醍醐味が合わさった映画になっています。52年前に観たのは、地上波テレビの淀川長治さんの日曜洋画劇場でした。番組枠を超えた拡大放送でも、完全版と言われるものより60分以上カットされたものです。主要登場人物を、善人・悪人・卑劣漢の三種類に分けて説明するショットが記憶に残る程度で、ストーリーは殆ど忘れていました。今回が実質初鑑賞にあたり、新鮮な驚きと面白さにとても満足しました。

先ず感銘を受けたのは、卑劣漢(無頼漢)テュコを演じたイーライ・ウォラック(1915年~1989年)のキャラクター表現の豊かさと演技力の確かさでした。僅かに「荒野の七人」(1960年)「荒馬と女」(1961年)「西部開拓史」(1962年)「シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛」(1972年)を観ているも印象になく、経歴を調べてみると、博士号を取得後ブロードウェイで俳優修業をして32歳でリー・ストラスバーグ(1901年~1982年)と共にアクターズ・スタジオに参加したとあり、納得の役者振りでした。撮影当時50歳とは思えないアクションシーンもこなし、何より強かでどこか間が抜けた人間味の可笑しさが、この映画の重要な役割を担っていることです。これは勿論、前作から引き続き出演したリー・ヴァン・クリーフ(1925年~1989年)のエンジェル・アイズ(悪玉)が極悪非道を極めたキャラクターと対比になり、主演クリント・イーストウッド(1930年生まれ)のクールな流れ者のブロンディと持ちつ持たれつな関係を最後のクライマックスまで引っ張っていく、練られた脚本の面白さを際立たせていました。お尋ね者の悪党テュコとその賞金首を目当てに何度も繰り返す賞金稼ぎのブロンディ。変形バディの復讐と仲直りと裏切りの連続が喜劇的な人間模様を見せてくれます。
次に感銘を受けたのは、前二作には無かった南北戦争を背景とした西部劇のスケール感でした。その中でも最終章の川を挟んで南軍と北軍が緊迫するシークエンスでは、北軍の酔っ払い大尉がみせる戦争の虚無感が、真面目な顔をして観る者に迫ります。人間コメディとこのシリアスな戦争批判が渾然一体となった不思議な感覚は、映画だけにある表現の面白さです。1500人のエキストラを投じて描かれた戦争の虚しさ、アメリカ資本の制作費を掛けた意義が可視化されたレオーネ監督の迫力ある演出も見事でした。
そして、前作「夕陽のガンマン」で違和感を感じたエンニオ・モリコーネ(1928年~2020年)の音楽が、全編に渡って映像と見事にシンクロしていたことです。テーマ曲としては地味で「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」より印象に残るメロディではありませんが、映画音楽としては完成度が高いと思いました。モリコーネの繊細で丁寧な配慮によるBGMと効果音を兼ねた映画音楽が素晴らしい。

マカロニ・ウェスタンらしい残虐シーンもありますが、印象に残るシーンや思わず笑ってしまうシーンの連続に、最後まで楽しめる西部劇です。テュコが荒野に一人取り残された怨念からブロンディに復讐をするシークエンスが特に見応えがありました。手下3人の殺し屋がブロンディの部屋に忍び込もうとするショットと、部屋で拳銃の手入れをするブロンディ、そして外では南軍の兵士が行進している。3人の廊下を歩く足のアップにブロンディの拳銃のアップ。靴の音、拳銃の音、そして馬の蹄と馬車の車輪の音に兵士の足音。この映像と音のモンタージュが醸成するサスペンスが、突然兵士の行進が止まることで緊張感を高めます。無音と思いきや遠くから大砲の音が聴こえる。そしてドアを凝視するブロンディの眼のアップ。兵士の行進が始まり殺し屋がドアのノブに手を掛けるショット、ここから恐怖を煽る音楽が鳴り、急いで弾を詰めるブロンディの手のアップ。ヒッチコックタッチのような模範演出を観ているようです。一瞬にして3人を仕留めるブロンディは、一言(拍車が鳴った)と最後の止めの一発を放つ。普通ならここで終わりなのに、窓から侵入したテュコが現れて、縛り首の縄を自ら首に掛ける危機に陥るブロンディ。でも大砲の音は徐々に大きくなる。最後は拳銃の銃口のアップと大砲のアップが重なり、わずかに大砲の音が先に鳴る。テュコが瓦礫と共に落下するところで、破壊的な笑いを誘います。このようにサスペンスからコメディのような決着に至る展開が、この作品の醍醐味と言えるでしょう。

細かく見ると数か所、シークエンスの繋ぎのショットに不自然さがありますが、全体から見れば些細な事です。セルジオ・レオーネ監督始め3人で創作された脚本の面白さ、イーライ・ウォラックの憎めないキャラクター表現に、安定感増したイーストウッドとヴァン・クリーフの魅力、充実したモリコーネ音楽、そして大胆なカメラワークを生かしたレオーネ監督の徹頭徹尾の迫力ある演出が、マカロニ・ウェスタンを代表する傑作を生みました。

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Gustav

4.5 何度でも映画館で観たい!!!

2025年12月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

知的

斬新

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TRINITY:The Righthanded Devil

4.5 戦場にかける端‼️

2025年11月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

笑える

楽しい

興奮

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活動写真愛好家