わたしは夜を憎む

劇場公開日:

解説

特異な夫婦生活の悲劇を描いた、作家兼製作者ジャック・ゴウチェの原作から、ルネ・マッソン、「ボルジア家の毒薬」のルイ・シャヴァンスがゴウチェと共同脚色、台詞担当は、ゴウチェとルネ・ルフェーヴル。監督は「七つの大罪」のジョルジュ・ラコンブ。撮影は「恋路(1951)」のルイ・パージュ、音楽担当は「われら巴里ッ子」のノルベール・グランベール。主演は「ナポレオン(1955)」のレイモン・ペルグラン、「夜の騎士道」のブリジット・バルドー。他にロジェ・ピゴー、ジャン・ドビュクールなど。

1955年製作/フランス
原題:La Lumiere D'en Face
配給:映配
劇場公開日:1956年10月31日

ストーリー

パリとコート・ダジュールを結ぶ第七国道定期輸送トラックの運転手ジョルジュ(レイモン・ペルグラン)は真面目で明るい青年。彼は同じ村に住むオリヴィア(ブリジット・バルドー)と相愛の仲で、やがてトラックを一台買いオリヴィアと新世帯を持ち独立することが夢だった。河岸の射撃大会で優勝したジョルジュは、今日もガソリンを満載したトラックを運転、オリヴィアとの未来を夢みて国道を走っていた。ところが突如、後部車輪が火を噴出した。ガソリンが爆発、ジョルジュは一命を取止めたが、その時の怪我に医師は、一杯の酒さえ脳出血を呼び起し、夫婦生活は致命的な刺戟を与えると恐しい宣告を下した。彼の夢は崩れた。しかし絶望のジョルジュを励まし、いつまでも看病するから結婚しようと慰めたのはオリヴィアである。二人は国道に面した一軒の食堂を買い、新世帯を持った。国道を挟み真向いにガソリン・スタンドがあるきり。食堂は運転手たちで賑わった。だが夜が更け店を閉めた後は夫婦が別々の寝室で一人寝の寂しさを味わねばならない。互いに満たされぬ苦悩の夜が続いた。無意識とはいえ店に集る男達に愛敬を振りまく若妻に嫉妬するジョルジュ。ある夜泊った新婚夫婦に刺戟されるオリヴィア。不自然な二人の結婚生活の悩みが募って来た時、向いのガソリン・スタンドの主任としてピエトリ(ロジェ・ピゴー)が赴任してきた。オリヴィアの心に逞しいピエトリの印象が焼付く。ジョルジュが医師の許へ行った留守、オリヴィアはピエトリと散歩に出た。帰宅してこれを知ったジョルジュはピエトリを憎んだ。がオリヴィアは嵐の夜ピエトリに唇を許した。彼女は夫を避けるようになった。国道修理で車が止った静かな夜、ジョルジュはオリヴィアに接吻を拒まれるや逆上して彼女のノドを絞めつけた。我に返ってジョルジュは自分の寝室へ戻ったが、恐怖に駆られたオリヴィアはピエトリに縋る外はないと部屋を抜け出した。物音に気づいたジョルジュは思わず壁に掛った銃を取り窓辺に出た。彼は向いの窓に抱き合う妻とピエトリを見た。自慢の銃はピエトリの腕を貫いた。ジョルジュは完全に発狂していた。折から国道にトラックの音。夢にまで見たトラックにジョルジュは表へ飛出し車の前に立ちはだかり、そのまま生命を絶った。むせび泣くオリヴィア。だが彼女は自由の身となった。

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