明日に生きる

劇場公開日:

解説

マリオ・モニチェリ、フリオ・スカルペッリ、インクロッチ・アジェノーレらの共同脚本を、「ゴールデンハンター」のマリオ・モニチェリが監督した労働運動黎明期の社会ドラマ。撮影は「家族日誌」のジュゼッペ・ロトゥンノ、音楽は「ブーベの恋人」のカルロ・ルスティケリが担当した。出演は「ゴールデンハンター」のマルチェロ・マストロヤンニ、「太陽は傷だらけ」のレナート・サルヴァトーリ、「悪い女」のアニー・ジラルド、「恐怖の報酬」のフォルコ・ルリ、「ダンケルク」のフランソワ・ペリエのほかに、ベルナール・ブリエ、ガブリエラ・ジョルジェリなど。

1963年製作/イタリア
原題または英題:I Compagni
配給:東京第一フィルム
劇場公開日:1965年11月19日

ストーリー

十九世紀末、トリノ。紡績工場の工員たちは、一日十四時間労働に喘いでいた。働き盛りのラウル(R・サルバトーリ)、その恋人アデーレ(G・ジョルジェーリ)、彼女の父パウタッソ、その同居人オメロ、シシリーからの移住者アッロ--彼らは毎日働きどおしであった。ある日、就業中に老人が大怪我をした。過当な労働が事故の原因であることは当然、これを機会に労働者たちは実行委員会をつくり、労働時間短縮の要求を会社側に提示することになった。パウタッソ他、選ばれた実行委員は翌日交渉を行なったが、工場監督ボーデに一蹴されてしまった。労働者たらは自分たちで時間短縮を計ることを決めたが、ボーデらの阻止にあい、パウタッソは二週間の停職処分をくらった。シニガリア教授(M・マストロヤンニ)がこの町に来たのはそんなときだった。彼はジェノバで労働運動を指導したため警察に追われる身で、知人を介して小学教師ディ・メオ(F・ペリエ)を頼って来たのだった。シニガリアは実行委員会の顧問に任命され、ラウルのアパートに居侯することになった。時間短縮のストは翌日から始まった。しかし、会社側はその要求を蹴り実行委員たちを呼び、パウタッソの停職処分を撤回するからストを中止せよ、さもなくば他所から失業中の労働者を呼ぶ、と迫ったが委員たちは妥協しなかった。会社の言葉どおり、他所の町から労働者が来た。二つの労働者グループは乱闘をはじめ、パウタッソはそのとき死んだ。労働者たちの気持はうちひしがれ、ストの続行に疑いを持ちはじめた。が、シニガリアとディ・メオは今こそ立ち上がるときだと励ました。そんなころシニガリアには刑事の追跡があった。が、彼はあやうくその手を逃れた。もう、これ以上ストを伸ばすことは生活の貧しさが許さない状態にまでなった。挫折しそうな労働者たちを、シニガリアは説き伏せ、労働歌をうたってデモ行進に持っていった。会社側は軍隊の出動を要請、大乱闘を起した。死人も出た。シニガリアは警官に逮捕された。翌朝、労働者たちは以前と同じように工場に出かけた。労働者たちの闘いは失敗に終わった。だが、それは明日への長い闘いの始まりでもあった。

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