都会を動かす手

解説

「シシリーの黒い霧」のフランチェスコ・ロージが企画・演出、脚本も「シシリーの黒い霧」のエンツォ・プロヴェンツァーレ他二名と共同で執筆したセミ・ドキュメンタリーの社会ドラマ。撮影は「シシリーの黒い霧」のジャンニ・ディ・ベナンツォ、音楽は「十七歳よさようなら」のピエロ・ピッチオーニが担当した。出演はロッド・スタイガー、「シシリーの黒い霧」のサルヴォ・ランドーネ、グイド・アルベルティ、マルチェロ・カンナバーレほか。多数の素人も出演している。なお、一九六三年度ベネチア映画祭でグラン・プリを受賞した。

1963年製作/イタリア
原題または英題:Le Mani Sulla Citta'

ストーリー

ナポリのある日。貧民の港湾地区の古い建物が不意に崩壊し、数多くの死傷者を出した。隣接して建築中の高層ビル工事が原因と推測された。現場監督がいち早く姿を消したことから疑惑は深まり、その父親であり、請負人である土建業者ノットラ(ロッド・スタイガー)が取調べを受けた。彼は右翼政党の党員で、市会の有力議員でもあった。事件は市会でも問題になり、かねて職権利用で利権漁りを察知していた左翼政党のデ・ヴィータ議員(サルヴォ・ランドーネ)は、市会に要求して調査委員会を設立、事件究明にあたったが、ノットラに関する不正は暴き出せなかった。市議会の改選が近くなり、ノットラは再選はもちろん、助役になって大規模な都市計画を描いていたが、彼の所属する党員までに、暗い噂が消えるまで待つべきだと主張され、苦境に立たされた。彼にとって重要なのは大規模な建設予定用地を買いこんだことで、その莫大な利益を逃すことは耐えられないことだ。金をばら撒き強引に当選した。彼の担ぎ出しに難色を示す右翼党にみきりをつけ、利害を同じくする議員と共に中間党に走り、右翼党を抜いて第一党になった。右翼議員の彼に対する憎しみは彼の計画の実現を危くするほど強力ではない。彼は助役に選ばれた。彼の活動は前にも増して円滑にいくだろう。また彼等は今後も巨万の富を得るだろう。しかし、正義派の少い議員達の不正に対する激しい憎しみの火も燃えつづけるにちがいない。

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