狂った本能

劇場公開日:

解説

「正午に銃殺の鐘が鳴る」のエドモン・T・グレヴィル監督がアンリ・クルーザ原作の『世界の果ての島』を映画化した作品。朝鮮戦線からの帰途、爆沈した赤十字船から、孤島に漂着した三人の看護婦と一人の男をめぐる、愛欲と闘争の物語である。撮影を担当したのはジャック・ルマール。音楽を受けもったのはシャルル・アズナヴール、マルグリート・モノ、エディ・バークレー、ジャン・ピエール・ランドローの四人。主演するのは「トロイのヘレン」のロッサナ・ポデスタ、「チャップリンのニューヨークの王様」のドーン・アダムス、「嵐の女」のマガリ・ノエル、「女の一生」のクリスチャン・マルカンという四人の国際スター。アフリカから三千キロの距離にあるソーブル群島中の一孤島にロケが行なわれた。製作はエドモン・T・グレヴィル。

1958年製作/フランス
原題:Temptation L'ile Du Bout Du Monde
配給:映配
劇場公開日:1959年6月10日

ストーリー

三人の女と一人の男を乗せたボートが世界の果ての島に流れついた。女たちは看護婦だった。イギリス生れのビクトリア(ドーン・アダムス)、イタリア生れのカテリーナ(ロッサナ・ポデスタ)、カナダ生れのジャーヌ(マガリ・ノエル)の三人だ。男は従軍記者だった。フランス生れのパトリック(クリスチャン・マルカン)だった。--島には、誰もいなかった。が、小屋があり、銃や道具類が残されていた。洞窟もあった。パトリックがビクトリアと湖へ水浴びに行ったのを見、ジャーヌは激しく嫉妬した。彼と湖へ行く機会を得ると、彼女は男にいどみ、二人はその夜を洞窟で過した。ある夜、不寝番のビクトリアが浜に乗り上げた難破船を見つけた。船には無線装置があった。ジャーヌが秘かにそれをこわそうとした。パトリックには不思議な行動だ。彼女をなぐりつけた。--彼は清純なカテリーナにひかれていく。が、女は彼を受けつけなかった。春になり、彼は釣の帰途、浜に流れついた舵を発見した。それは、カテリーナがボートを漕ぎだし、嵐のため浪にのまれたことを告げていた。彼は悲しみに閉ざされ、一人で難破船に寝起きするようになった。ビクトリアはジャーヌのヒステリーに恐れをなした。狂った本能そのもの、前から時々狂うのだという。ビクトリアはパトリックに船に連れていってと頼んだ。途中、彼が怪我をし、女が看護した。それが二人を結ばせた。ある夜、飛行機が飛来した。三人は狂喜した。が、機は飛び去った。その直後、ビクトリアの姿が見えなくなった。崖下に、頭の砕けた死体が見出された。パトリックはジャーヌと暮すほかなかった。動物の生活--。沖に、船が現れた。気づいた女は男を洞窟に連れこみ、離そうとしなかった。しかし、汽笛が……。男は洞窟から飛びだしていった。今はこれまで。二人の女を殺し、帰国しても精神病院へ入れられるばかりだ。ジャーヌは狂笑を残し、断崖から身を投げたのだ。沖の船からこれを見ていた士官が上陸してきた。“お一人ですか”パトリックは岬の方へ十字を切ると、向き直って静かに答えた。“ええ、私だけです”と。

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