濁流(1957)

劇場公開日

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解説

仏植民地政策に蜂起したヴェトナム軍と、フランス軍の戦乱になやむインドシナを背景に、フランス人と現地女の愛情を描くジャン・ウーグロンのベスト・セラー小説の映画化。戦後映画界に入ったマルセル・カミュの監督第一回作品。カミュと原作者および「非情」のミシェル・オーディアールが共同して脚色と台詞を担当し、「白い馬」「赤い風船」のエドモン・セシャンが全面的現地ロケの撮影を監督した。音楽はヴェトナム民謡から現地音楽家が採録したものを使用。サイゴン郊外に組まれた村の大オープン・セットをはじめとする美術は「非情」のポール・ルイ・ブティエ。主演は「非情」のダニエル・ジェランに、サイゴンで発見された安南人とフランス人のハーフのアン・メシャール。傍役はジャック・シャンセル、アントワーヌ・フィリドリ、リュシアン・カラマンの三人がフランスからロケに参加している他、総て現地の人達が出演している。

1957年製作/フランス
原題:Mort en Fraude
配給:東和

ストーリー

インドシナ、サイゴンの街には灼熱の太陽が照りつけていた。マルセイユからここへ赴任してきた若いフランス人、ジャン・オルシェ(ダニエル・ジェラン)は迎えに来た会社の者から自分がいつの間にか米弗紙幣密輸団の一味にされていると言う意外なことを告げられた。彼がマルセイユを発つ時託された小荷物がそうだったと言うのだが、途中シンガポールで盗まれてしまったのだ。弁明も甲斐なく、訴えられることを恐れた密輸団は彼の身辺をつけ狙った。到着早早から無気味な死の影に追われて彼は街中を逃げ廻り、とある一軒に身を潜ませる、たまたま居合せた若い混血の女(アン・メシャール)に懇願してサイゴンの街から連れ出すことを承知させた。女はアヌと言った。逃げ込んだのは彼女の生地ヴィン・バオで戦禍に悩むさびれた村だった。ジャンはこの惨めな人人に尽してやりたいと思うのだが、最初村人はフランス人の出現を恐れた。その頃アヌはマラリヤに罹った。キニーネを求めて、ジャンは彼女の弟に案内させ仏軍の哨所に赴く。薬と食糧を買って戻って来たジャンにアヌの一家は感謝し好意を寄せた。ただ母親だけは根強い憎悪を抱いていた。彼女は昔フランス人に棄てられたのだ。或夜ヴェトミンの将校が来てジャンを訴えろと母親をそそのかす。ジャンは身をかくしたが、アヌの祖父がその居所を明かさなかったためヴェトミン軍に殺された。村はそのころ仏軍が築いた堤防のため水を断たれ瀕死の状態にあった。ジャンはアヌを伴い仏軍に救援を求めて再びサイゴンに行く、しかし仏軍は堤防破壊を許可しなかった。その上、彼女を待受けていたのは密輸団の一味。彼はもはや退かなかった。一味を打ち倒したジャンは愛する人々のために単身堤防破壊を決意した。アヌもついて来た。ダイナマイトをたずさえた二人は堤防へ接近した。ジャンは仏軍、ヴェトミン軍双方の砲火をくぐりぬけ、ダイナマイトを仕掛けた。爆音とともに濁流はヴイン・バオに流れて行く。アヌが沼の中へ船をひいてジャンを迎えに来た。船の上で二人が抱擁しようとした時、飛来した弾丸はジャンを水底に落した。二人の舟のかたわらを大きな蓮の花が一輪、彼の死を葬うように流れた。

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