美しき人生
劇場公開日:1970年2月11日
解説
戦時下という不運な社会状況の中で、幸せで美しい人生を求める青春像。製作はポール・ド・ルーベ、監督・脚本は「若草の萌えるころ」のロベール・アンリコ。台詞はモーリス・ポンス、撮影はジャン・ボフティ、音楽はアンリ・ラノエがそれぞれ担当。出演は「ジェフ」のフレデリック・ド・パスカル、ジョゼ・ステネ、アリーヌ・ベルトラン、リュシエンヌ・アモン、グレゴリー・クマラなど。
1963年製作/フランス
原題または英題:La Belle Vie
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1970年2月11日
ストーリー
アルジェリア戦線で戦ってきたフレデリック(F・ド・パスカル)は、ようやく除隊となり、革命記念日にわきたつパリに、いま足をふみおろしたところだった。彼は、まず自分のアパートに向ったが、そこには、もう他の住人がいた。その足で彼は、バリ祭の雑踏の中へ、恋人シルビ(J・ステネ)の姿を求めて行った。間もなく、街角でダンスをしている彼女の姿をみつけ、フレデリックは固く彼女を抱擁した。二人の姿は、いつしか夜の闇の中へ消えていった。こうして彼等は、皆の祝福をうけ結婚した。モンテカルロへの夢のような新婚旅行から戻った二人には、パリの片隅の屋根裏部屋での、現実が待っていた。美容院に職を見つけたシルビにくらべ、フレデリックには不安と憔慮の日々が続き、軍隊生活の傷痕が、よみがえって来た。そんな日々の果て、ようやくフレデリックにも、様々の職業がまわってきた。そのようにして、生活が軌道に乗ってきた時、シルビの体内に、新しい生命が宿っていたことがわかった。これを聞いたフレデリックは、あからさまにシルビに対して悪口を言ってしまった。眼にいっぱい涙をためたシルビは、その場を逃れて行った。もはや、なぐさめの言葉も、シルビには耳に入らなかった。その日以来、二人の部屋には、冷たい空気が流れた。そんなことが続いたある日、フレデリックはいたたまれなくなり、昔の女のもとへ行ったが歓迎されなかった。いまや彼の求めていた“美しい人生”など、どこにもなかった。不安な社会状勢と暗い生活の中で、若い二人は、いつしかうちのめされて行くかに思われた。ところがついに幸運の女神が二人にほほえみかけたのだった。ある広告会社が、フレデリックと契約を結び、彼は一躍コマーシャル写真家として、名声を得てしまった。とうとう二人は、自分達のアパートと、もちきれないほどの幸福を手にした。アパートに越した祝いの夜、希望、生れてくる子供、二人はベットの上で、いつまでも未来のことについて話し合っていた。その翌日、フレデリックの再召集を告げるため、憲兵が戸口に立っていた。その日、パリの空は、二人の不運をみつめ、いつになく悲しげな雲におおわれていた。
スタッフ・キャスト
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Fredericフレデリック・ド・パスカル
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Silvieジョゼ・ステネ
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Othersアリーヌ・ベルトラン
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Othersリュシエンヌ・アモン
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Othersグリゴリ・クマーラ