エミリアンヌ
劇場公開日:1976年2月21日
解説
三角関係の愛欲を描いて現代人の性を見つめるクロード・デゾルブの同名小説の映画化。製作はアンドレ・ジェノーヴェとピエール・ブロンベルジェ、監督・脚本は「愛の讃歌」のギイ・カザリル、撮影はジャン・シモニー、音楽はニノ・フェレールが各々担当。出演はベティ・マルス、ピエール・ウードリー、ナタリー・ゲランなど
1975年製作/フランス
原題または英題:Emilienne
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1976年2月21日
ストーリー
エミリアンヌ(ベティ・マルス)は、パリの芸術大学教授クロード(ピエール・ウードリー)の妻で三十代のブロンド美人だ。クロードはハンサムでスマートな魅力的な中年男だった。彼は妻を愛してはいたが、冷たくよそよそしい態度にあきたりないものを感じていた。そんな反動からか、教え子ヌーキー(ナタリー・ゲラン)に心を動かされている自分を意識していた。一方、ヌーキーは十代の娘らしく男性に深い興味と好奇心を抱いていた。男女の当然の成行きとしてそこに肉体関係が生まれ、自己の感情を充分コントロールできないヌーキーは、真剣にクロードを愛し、その妻エミリアンヌを憎むようになった。ある日、ヌーキーは招かれもしないエミリアンヌのカクテル・パーティに押しかけ、レスビアンの激しいからみを描いたスケッチを彼女の眼前に差し出した。エミリアンヌは最初の当惑が去ると、肉体の芯からの疼きを感じている自分に気がついて驚いた。彼女は日を変えてヌーキーを自宅に招待した。もちろん、夫には内緒だった。だが、嬉しさを隠しきれないヌーキーは、仕掛けた罠にエミリアンヌがはまったこと、それ以上に彼女の体の奥深くに眠っていたレスビアンへの興味を目覚めさせたことを、クロードに告げた。エミリアンヌはヌーキーを自宅に引き取り自分にレスビアンの素質があることを認めた。やがて、クロードとエミリアンヌとヌーキーは三すくみとなって同性愛、異性愛の営みをするようになった。数週間、三人はこの愛のかたちが理想だと考えていたが、自我の強い若いヌーキーは自分一人が除け者にされているように感じ始め、自分の恋人がクロードであることをぶちまけて家を飛び出した。夫の裏切りに傷ついたエミリアンヌだが、同性が傍にいないと性生活が維持出来ない自分に当惑するばかりだった。クロードは、そんなエミリアンヌを心配し、休暇を利用してブルターニュの海岸にある別荘に出向いた。しかし、エミリアンヌはヌーキーの幻影を求めるかのように、漁師の未亡人クラブに溺れていった。救いは、ヌーキーに帰ってもらうことだけだった。クロードはヌーキーを捜し出し、懇願したが、彼女の条件はクロードの妻の座と子供を産むことだった。エミリアンヌは素直にその条件を認め、ヌーキーは彼女の卑屈さを侮辱した。ヌーキーが身重になったある日、昔のボーイフレンドが訪ねてきた。彼女は何を思ったか、ボーイフレンドとエミリアンヌに性行為を強要した。ヌーキーは、初めてエミリアンヌの肉体と魂を盲従させることが出来るのを知った。ヌーキーは男の子を産むと、クロードに自分かエミリアンヌを選ぶようつめよった。クロードは初めての子を溺愛し、エミリアンヌとは正式に離婚した。しかし、クロードは妻となったヌーキーとの生活にも索漠たるものを感じ始めていた。そして、エミリアンヌなしの生活は成立しないことを悟った。クロードは、今はある女性と同棲しているエミリアンヌを訪ね、事情を打ち明けたが、エミリアンヌにその意志はなかった。だが、翌日、クロードの家を訪ねる人があった。エミリアンヌだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ギイ・カザリル
- 脚本
- ギイ・カザリル
- 原作
- クロード・デゾルブ
- 製作
- アンドレ・ジェノーヴェ
- ピエール・ブロンベルジェ
- 撮影
- ジャン・シモニー
- 音楽
- ニーノ・フェレール
- 字幕監修
- 山崎剛太郎