虹をわたる風船

劇場公開日

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解説

大人たちの身勝手な愛のために死に追いやられた少年の健気な愛を描く。監督はマリオ・ガリアッツォ、脚本はルイザ・モンタニャーナとマッシモ・フランシオーサの共同、撮影はクラウディオ・ラッカ、音楽はステルヴィオ・チプリアーニが各々担当。出演はレナート・チェスティ、ジェームズ・ホイットモア、マリナ・マルファッティなど。

あらすじ

ミラノのとある小さな町の公園から、今日も明るい笑い声が聞こえてくる。ジャコミーノ少年(レナート・チェスティ)がひらく人形芝居を楽しんでいる人々の声だ。ジャコミーノが小さな体で大人顔負けの仕事をするのには深い訳があった。そう、あれはジャコミーノがまだ四つか五つの頃だった。若くてきれいな母マリア(マリナ・マルファッティ)が、一緒に働いていた劇団の男と駈け落ちをしてしまったのだ。母のいなくなった意味を悟るにはまだ幼なすぎたジャコミーノは、お母さんはいつかきっと帰ってくると信じていた。だが妻に裏切られた父アントニオ(ジェームズ・ホイットモア)は、その日から酒にいり浸るようになった。ぼろぼろになっていく父を見て、ジャコミーノは健気にも「お母さんが帰ってくるまではボクがしっかりしていなければ……」と心に誓った。生計のあてがなくなった父の代りにジャコミーノは、いつか母の出演したミュージック・ホールで見てとても楽しかった人形芝居を始めることにしたのだ。まだもの心つかぬ息子を残して若い男と駈け落ちしてしまった母。妻に去られて絶望にうちひしがれる父。--そんな苛酷な境遇にもめげず、ジャコミーノは父を思いやり、一方ではおぼろげながらもいつか触れた母の優しいぬくもりを求め続ける。そんなある日、ジャコミーノは突然の病いに倒れる。父をはじめ町の人々はジャコミーノを励まし、一生懸命に回復を願うが、運命は苛酷だった。アントニオに看護婦はいった。「ジャコミーノはお母さんにとても会いたがっています。それと大切な宝物をお父さんにあげたいのだそうです。お父さんのために貯めたお金だそうです」。アントニオはその日から懸命にマリアを捜し始めた。風の噂でミラノの歓楽街を必死に捜し回った。マリアは売春宿にいた。売春婦に零落した女を、今は責める気もなかった。懐かしい母の胸を濡らすジャコミーノ。だが余りの過労に幼い体は、すでに不治の病魔に深くむしばまれていたのだ。父母を始め、町の人々はジャコミーノの一番の願いであるサーカス見物を叶えてあげた。生まれて初めて父と母とすごす幸せな時間も束の間、ジャコミーノは人々の優しい眼差しに見守られながら、深い眠りについた。

1974年製作/イタリア
原題:il Venditore di Palloncini
配給:日本ヘラルド映画

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