わかれ道(1963)
劇場公開日:1964年2月
解説
ラファエル・ヘイズ、オービル・H・ハンプソンの共同シナリオを、新人ラリー・ピアースが演出した黒人問題を扱った人間ドラマ。撮影はアンドリュー・ラズロ、音楽はジェラルド・フリードが担当した。出演はTVのバーバラ・バリー、バーニー・ハミルトン、リチャード・マリガン、ハリー・ベラバー、ロバート・アール・ジョーンズ、ヴィネッタ・キャロルほか。64年度カンヌ映画祭主演女優賞(バーバラ・ハリー)を受賞している。
1963年製作/アメリカ
原題または英題:One Patato, Two Patato
配給:東和
劇場公開日:1964年2月
ストーリー
アメリカ中西部の小都市ハワードの裁判所では、1人の少女の親権をめぐる裁決が行われようとしていた……。ジュリー(バーバラ・バリー)は若くしてジョーと結婚し、娘エレン(マルティ・メリカ)を生んだ。だが野心に燃えていたジョーは、妻と娘を残して南米へ旅立ってしまった。初めは送金もあり手紙も来たが、やがて途絶え生死もわからなくなった。ジュリーは離婚の手続きをとると、エレンを連れてハワードの町に移り工場に勤めるようになった。そこでフランク(バーニー・ハミルトン)という黒人青年と知りあい、やがて2人は結婚し男の子が生まれた。エレンにとってはもちろん、一家にとっても平和な日が続いた。ところがある日、ジョーが帰ってきた。南米で得た金で何とかしてやりたいと訪ねてきたのであるが、ジュリーの再婚した相手が黒人だと知ると、あまりのショックに口もきけなかった。そしてエレンが大人になった時、黒人の娘ではどんなに惨めな思いをするだろうと考え、親権主張の訴えを起こした。ジュリーの懇願にもかかわらず、訴訟の取り下げをしなかったのは、ジョーの心の奥底に、ジュリーの愛を得た黒人への激しい嫉妬があったのだ。判決の日が来た。判事は「社会に偏見が存在する以上、少女の将来の幸せを危険にさらすことは出来ない」といい、ジョーをエレンの親権者と認めた。別れの日、「一緒にいさせて」というエレンの必死のまなざしに、大人達は言葉がなかった。エレンは母を打った。愛と怒りと悲しみをこめて……。泣き叫ぶエレンを乗せて車は走り去った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ラリー・ピアース
- 脚本
- ラファエル・ヘイズ
- オービル・H・ハンプトン
- 製作
- Sam Weston
- 撮影
- アンドリュー・ラズロ
- 音楽
- ジェラルド・フリード
受賞歴
第37回 アカデミー賞(1965年)
ノミネート
脚本賞 | オービル・H・ハンプトン ラファエル・ヘイズ |
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第17回 カンヌ国際映画祭(1964年)
出品
出品作品 | ラリー・ピアース |
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