ロンリー・ハート(1986)
劇場公開日:1987年4月18日
解説
現在のアメリカ映画を代表する3人の女優ーダイアン・キートン、ジェシカ・ラング、シシー・スペイセクが、姉妹に扮して、特別な絆に結ばれた、それぞれに傷つきやすい女性像を演じたシリアス・ドラマ。ピュリッツァー賞を受賞したべス・ヘンリーの3幕物戯曲Crimes of the Heartが原作で、作者自ら脚本を執筆した。製作は「アメリカン・ジゴロ」のフレディー・フィールズ・監督は「テンダー・マーシー」(日本未公開)でアカデミーにノミネートされたオーストラリア出身のブルース・ベレスフォード。撮影はダンテ・スピノッティ、音楽は数々の名曲を手がけたジョルジュ・ドルリューが担当。共演は「フール・フォア・ラブ」のサム・シェパードほか。
1986年製作/アメリカ
原題または英題:Crime of the Heart
配給:松竹富士
劇場公開日:1987年4月18日
ストーリー
ミシシッピーの小さな町へーゼルハースト。マグラス三姉妹の長女レニー(ダイアン・キートン)は、大きな家に今は唯一人で住んでいる。姉妹の父は、彼女たちが幼い頃家を捨て、母親はそのショックで自殺してしまった。3人は祖父にひきとられたが、その祖父も今は老衰で入院中だ。次女のメグ(ジェシカ・ラング)は歌手を志しロスヘ出、三女のベイブ(シシー・スペイセク)は町一番の有力者ザカリーと結婚した。レニーの誕生日が近いある日、そのザカリーをベイブが銃で撃つというスキャンダラスな事件が起きた。レニーの電報でメグが呼び戻され、保釈となったベイブと3人は、久しぶりに再会した。やがて、ベイブの弁護士ロイド(デイヴィッド・カーペンター)によって、ベイブが夫に虐待されていたことを知る。そして、その寂しさから黒人の少年と知り合い子供のような愛情を育てていたが、その事実を知った夫が少年に乱暴したため発砲したことを知らされる。その夜、姉妹3人は久しぶりの語らいの時を持った。メグの昔の恋人ドク(サム・シェパード)から電話がかかってきたのは、そんな時だった。彼には今は妻と2人の子がいる。自分の体に対する劣等感から男性恐怖症になっているレニーはメグとドクの関係に、嫉妬まじりの怒りをぶちまける。ベイブもメグをせめる。気まずい空気の中、メグはドクとドライブに出かけ、湖のほとりで一夜を過ごす。まだドクに愛されていることを知ったメグは、もう一度人生をやり直してみようと決心する。一方、べイブは町から追放となった黒人少年と涙の別れをした。また、レニーは三姉妹を批難する隣家の口うるさい従姉妹チック(テス・ハーパー)をほうきで追い払った勢いで以前つき合っていたチャーリーに電話をかける。その頃、2階では夫が自分を施設に入れようとしていることを知ったベイブが自殺をはかるが、間一髪メグに救われ、励まされる。レニーのバースデーケーキを前にした三姉妹は、新しい季節の訪れを予感してか、少女のように笑いころげながら、大きなケーキにかぶりつくのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ブルース・ベレスフォード
- 脚本
- ベス・ヘンリー
- 製作
- フレディ・フィールズ
- 撮影
- ダンテ・スピノッティ
- 美術
- ケン・アダム
- 音楽
- ジョルジュ・ドルリュー
- 衣装デザイン
- アルバート・ウォルスキー
- 字幕
- 戸田奈津子