野生の蘭

解説

「肉体の悪魔」「イバニエズの激流」のグレタ・ガルボ嬢の主演映画で、ジョン・コールトン氏の原作を「我等の海」「スカラムーシュ」のウィリス・ゴールドベック氏が改作し「思い出」「山の王者」のハンス・クレーリー氏と「英雄時代」「キートンのカメラマン」のリチャード・スカイヤー氏とが台本を執筆し、「クォリティ街」「粋な殿様」のシドニー・A・フランクリン氏が監督し、「世界に告ぐ」「肉体と悪魔」のウィリアムス・ダニエルス氏が撮影した。助演者は「情熱の砂漠」「踊子気質」のルイス・ストーン氏と「ソレルとその子」のニルス・アスター氏である。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:Wild Orchids

ストーリー

若く美しいリリーは夫のジョン・スターリングを深く愛していたが中年のジョンは妻にすべてを捧げるには余りに分別があり過ぎまた情熱が乏しすぎた。ジョンが商用でジャワへ旅行に出掛けることになるとリリーは願って一緒に連れて行って貰った。彼女には二度目の蜜月旅行のように思えたこの船旅もジョンにとっては無感激な退屈な物だった。ところが船中で知合いとなったジャワの青年貴族デ・ゲースはリリーに恋慕の情を寄せ、ある日のこと彼はリリーを抱擁して接吻を迫った。夫の無頓着に一人旅のような旅愁を感じないでもなかったリリーではあったが、この異国の青年の求愛を受けることは躊躇された。ジョンは妻からデ・ゲーズの振舞いを聞かされても意に介しない様子なので、デ・ゲースは次第に露骨にリリーに愛を求めた。そして彼は船が着くと自分の宮殿にスターリング夫妻を招待した。3人で植民状態を視察に出掛けた時豪雨に遭い、リリーは或る宿に留ることになった。男二人は出発したがリリー一人では気掛かりだとデ・ゲースが言い出したので彼を途中から帰しジョンは一人で視察に赴いた。ジョンが宿に戻るとリリーとデ・ゲースが抱擁する様が鏡に映ったが、部屋に入ると彼は原住民の娘に戯れてい、リリーは自分の部屋に居た。一旦ジョンの疑いは静まったが、彼の物をデ・ゲースの部屋に発見した時彼の猜疑心は頭をもたげた。しかし妻が不安を訴えても彼は意に介せぬ様子を示した。ある日虎狩りに赴いた時ジョンは妻とデ・ゲースを監視していたが、妻がデ・ゲースの天幕に入るのを見届けると2丁の銃を以て虎が現れたと告げた。デ・ゲースは発砲せんとしたが銃は充弾してなかったので猛虎の前に立つ彼の命は風前の灯火の如く危うかった。リリーは夫に哀願した。ジョンは虎を射倒した。負傷したデ・ゲースは医者から回癒するといわれた。ジョンは二人の心を察してリリーを残して去った。しかしリリーは夫の後を追って船に駆けつけた。

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