メトロポリタン(1935)

解説

「悪漢の唄」「キューバの恋唄」のローレンス・ティベットが主演してオペラ名曲を歌う映画で、ダリル・F・ザナックの第一回作品。原作は「シュヴァリエの巴里っ子」の脚色者ベス・メレディスが書き卸し、自ら「コンチネンタル」のジョージ・マリオン・ジュニアと協力し、「噫無情」「白衣の騎士」のリチャード・ボレスラウスキーが監督に当たり、「リリオム」のルドルフ・マテが撮影した。助演者は「曲芸団」「歓楽の女王」のヴァージニア・ブルース、「コンチネンタル」のアリス・ブレディー、「西班牙狂想曲」のシーザー・ロメロ、「歌の翼」のサーストン・ホール及びルイ・アリベルニ、「アンナ・クリスティ」のジョージ・マリオン老等である。

1935年製作/アメリカ
原題または英題:Metropolitan

ストーリー

オペラ歌手のトミイ・レンウィックは、あたら天分を有しながら認められず、いつも端役しか与えられた事がなかった。1日彼は郊外へ釣りに出かけて、これもオペラ志願の若い娘アン・メリルと知り合いになった。所が彼女は彼の親友ニキ・バロニの知人だったので、トマスと彼女はそれから段々親しくなっていった。オペラハウスの支配人はせっかくトマスに割り当てた配役を、彼よりも人気があるというそれだけの理由で、天分もない他の歌手に回してしまったので、彼は辞職した。丁度その頃、余り優遇されないプリマドンナのギタ・ガリンがパトロンたるサイモン・ハンターの後援を得てオペラハウスから独立し、フィラデルフィアで旗揚げをする事になった。失職中のトミイは彼女の乞いによって相手役を演ずる事となり、楽長としてトマスが父親のように仕えている老ペロンテリが迎えられる事になった。ペロンテリはかつてスカラ座で楽長をしていた天才的指揮者だったが、今は落ちぶれてトミイなどと同居をしていたのである。一座は早速コーラス・ガールを募集する。その中にはアン・メリルも加わっていた。猛烈な稽古が始められた。ところがギタ・ガランはひどいヒステリイで、天分もないくせに横暴な態度で練習を怠けるので、ペロンテリはその度に彼女と衝突しては楽長を止めてしまう。トミイはギタの機嫌を取りつつ、一方ペロンテリを説き伏せて一座に帰って貰っていた。しかし最後にアン・メリルに重要な役をつけた事からギタは嫉妬して彼女を首にしろと言い出した。ペロウテリはギタに悪罵を浴びせて脱退した。ギタはアンを首にせぬなら一座を解散すると言い出し、ついにパトロンは手を引いた。座員一同の窮乏を見捨てられずトミイは金策に奔走するが、皆徒労に終わる。その時アン・メリルが大金を出してトミイや一同を驚かした。実は彼女は有名な富豪の娘だったのである。公演は「パリアッチ」と「カヴァレリア・ルスチカナ」で蓋をあけた。トミイの熱演と天分は素晴らしい成功を納め、彼とアンは一生変わらぬ誓いを交わすのであった。

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