名門芸術

解説

「ショウ・ボート(1929)」の原作者エドナ・ファーバーと「ココナッツ」の原作者ジョージ・S・カウフマンとの合作舞台劇に基づいて「放浪の王者(1930)」のハーフマン・マンキウィズがガートルード・パーセルと共同脚色し、「戦争と貞操」のジョージ・キューカーと「脱線泥棒」のシリル・ガードナーとが共同監督し、「踊り子夫人」「けだもの組合」のジョージ・フォルシーが撮影した。主演者はジョン・ギルバート夫人で舞台の名女優アイナ・クレア(彼女の初出演映画はAwful Trugh)「踊り子夫人」「屠殺者(1930)」のフレドリック・マーチ「脱線泥棒」「拳の王者」のメアリー・ブライアン、映画初出演の舞台女優ヘンリエッタ・クロスマンで、チャールズ・スターレット、舞台俳優アーノルド・コーフ及びフランク・コンロイが助演している。

1930年製作/アメリカ
原題または英題:The Royal Family of Groadsay

ストーリー

アメリカの劇団に王者の如く君臨しているキャヴェンディッシ家のジュリーは舞台にも油の乗り切った女盛りで「ロメオとジュリエット」を大成功裡に打ちあげた。今は引退しているジュリーの母ファニーはジュリーの弟トニーが舞台を捨てててハリウッドの映画俳優になったことを嘆き、ジュリーだけは名家キャヴェンディッシュの加盟を汚さぬように舞台に精進してくれと言うのだった。ジュリーは娘のグウェンが俳優としての立派な素質を持ちながら、舞台生活に入ることを嫌う様子があるのを苦にしていた。グウェンはジュリーが次に演ずる新作の劇に初出演することに決まって既に稽古もしていたが、恋人のペリー・スチュアートが舞台生活を嫌うのでペリーと静かな家庭生活をしようか舞台に立とうかと迷っていた。ジュリーにも悩みがあった。彼女に恋していて彼女が舞台に入ったため南米に赴き、独身生活を続けて今は富豪になっているギルバート・マーシャルが商用で帰米し、彼女に再び結婚を申し込んだのである。ジュリーもギルバートには愛を感じていた。彼が去った後グウェンの父と結婚したがその結婚は失敗であったことを思えば結婚生活には危惧をいだかずにはいられなかった。ファニーとジュリーとグウェンが論じ合っている時トニーが突然帰って来た。彼は監督をなぐり、また彼が婚約を結んで今は嫌っている女優に追いかけられたので、お忍びで帰宅し今夜の船でヨーロッパへ行く心算でいた。ギルバートの計らいで旅券を得て彼はその晩渡欧した。その後グウェンはペリーと結婚した。ジュリーも劇界引退を決してギルバートと結婚する気になっていた。ファニーはキャヴェンディッシュ家の者が1人も舞台に出ていないのは恥辱だと、老体をもってブルックリンのある劇場に立っていた。トニーがヨーロッパの旅から帰った日、ギルバートもジュリーと結婚するため再び南米から帰って来た。その頃ジュリーは引退生活の寂寥を、グウェンは家庭生活の退屈を、共に味わっていた。トニーの帰郷とその劇談は2人の女性に舞台の興味を喚起させた。おりしもファニー急病の報に一同はブルックリンに急行した。ファニーは瀕死の境にありながら3幕目に出演しようとした。ジュリーの胸の火は燃えた。彼女は母の代わりに舞台に立つ。ギルバートは彼女の成功を祈って去った。グウェンもいよいよ舞台に立つ決心をした。ファニーの霊魂は安らかに眠るであろう。

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