胸に輝く星

劇場公開日:

解説

バーニー・スレイターの原作を「太陽に向って走れ」のダドリー・ニコルズが脚色、「最前線」のアンソニー・マンが監督した異色西部劇。撮影監督は「三人のあらくれ者」のロイヤル・グリグス、音楽は「最前線」のエルマー・バーンスタイン。主演は「間違えられた男」のヘンリー・フォンダ、「ロンリーマン」のアンソニー・パーキンス。「ミスタア・ロバーツ」のベッツィ・パーマー、「黒い牡牛」のマイケル・レイ少年、「六番目の男」のジョン・マッキンタイア、それにネヴィル・ブランドらが助演する。

1957年製作/アメリカ
原題または英題:The Tin Star
配給:パラマウント
劇場公開日:1957年12月27日

ストーリー

西部のある町--シェリフのオフィスに、ひげだらけの男が馬の背に男の死体を乗せてきた。ひげの男はモーグ・ヒックマン(ヘンリー・フォンダ)と名のり、運送会社を襲い金を奪った男を捕えてきたと言い賞金を要求した。シェリフはベン・オーエンス(アンソニー・パーキンス)という若い男だった。賞金は死体の男が犯人であることを確かめられるまでは支払われない。モーグはそれまで町に留まることにしたしかし素性の知れぬ旅がらすを泊める家もなく、馬を預けようとしても厩の主に断られた。厩の主はボガーダスと言い、強盗犯人とは親類だった。モーグは野宿を覚悟して町を出たが途中キップという少年と知合い、その母親の家に泊めてもらうことになった。キップの母はノナ(ベッツィ・パーマー)と言いインディアンの夫に死別、今は息子と2人住んでいるのだった。自分も妻と子を失っていたモーグはキップに愛情を覚えた。翌朝モーグがシェリフのオフィスに行くと、マコード医師とミリーという娘がベンを訪れていた。ミリーはベンと恋仲だがシェリフだった父親が殺されたためベンがシェリフである限り結婚しないと言張っていた。その時、往来から3発の銃声が聞こえた。ボガーダスがインディアンを射殺したのだ。ベンはボガーダスを捕縛しようとしたがボガーダスは正当防衛を叫び、逆に奸計をもってベンを射とうとした。モーグはその奸計を見破りベンを助けた。モーグも昔シェリフをしていた。翌日ベンはモーグに、ボガーダスが軽い罰金で許され、シェリフの地位を狙っていることを告げた。モーグは賞金支払の日を待ちつつベンの指導に当った。やがて賞金が届いた。モーグが金を受取って表へ出ると駅馬車の乗客が2人組に殺されるという事件が起った。ベンは早速捜索隊を組織したが、当然参加してくれると思ったモーグに拒否された。夜半、捜索隊は空しく帰ってきた。翌日はマコード医師の誕生日で人気のある医師を町中で祝うことになっていた。ところが医師は、その日何者かに殺された医師の手帳に記されたメモから犯人はマッガフィー兄弟と目された。駅馬車を襲ったのも彼らで事件を知った医師の口を封ずるため殺したという事実が浮んだ。再び捜索隊が組織されたが今度もモーグは加わらなかった。キップ少年が捜索隊の後を追ったことを知ったモーグは少年の安否を気遣い捜索隊を追った。モーグは少年を見つけるとともにマッガフィー兄弟の隠れ場も見つけベンを助けて捕縛した。が、親愛なる医師を殺された町民は憤激の余り鏡台を私刑にかけようとした。ボガーダスはこの機にシェリフの地位を乗っ取ろうと町民を扇動した。しかしモーグの助けでベンはボガーダスを倒し立派にシェリフの地位を守った。翌朝モーグは町を去った。ノナとキップを連れて……。

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映画レビュー

3.5一から手ほどき保安官の心得

2023年10月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ヘンリーフォンダ扮する元保安官の賞金稼ぎモーガンヒックマンが保安官事務所を訪れお尋ね者の遺体で金を要求した。町の者たちがモーガンに冷たくする中、少年が家に呼んでくれた。モーガンは妻と息子を亡くしていた。 新米保安官にモーガンが保安官の心得を一から手ほどきしてたね。先住民との関わりも難しいね。町は常に危険を抱えているから保安官も命の保証はないね。

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重

3.5見習い保安官

2023年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

賞金稼ぎ(ヘンリー・フォンダ)が、賞金首の死体を町の保安官事務所に持ってくる。 町は保安官のなり手がなく、若い見習い保安官(アンソニー・パーキンス)が務めていた。 お金をもらうまで、この見習いを教えることにした賞金稼ぎだったが・・・。 ベテランが新人を教える、このパターンは面白い作品が多い。

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いやよセブン

3.5若い保安官の成長を見守る西部劇の佳作

2020年4月18日
PCから投稿

新米保安官のアンソニー・パーキンスが町の難題を解決して、一人前の保安官に成長していく地味な物語だが、ヘンリーフォンダの元保安官の救いの手が微妙な距離感で絡んでいるので真実味が加わる。先住民の血を引く白人間の差別も描かれ、開拓後期の時代背景も興味深い。町の浄化を保安官ひとりに押し付ける町長以下長老たちの不甲斐なさ、犯罪者を自ら制裁しようとする民衆の付和雷同の怖さ、未熟ながら法の番人として使命感に燃えるパーキンスの心情と、多面的な表現のバランスよい脚本の出来。フォンダに唯一優しい対応をするパルマー親子のポジションも適度の絡み方で良い。フォンダ、パーキンス共にその個性と演技力を見せて役になり切っていて好演。渋い西部劇ながら、良くまとまった出来の佳作だ。

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Gustav