ミネソタの娘

劇場公開日:

解説

「春のあけぼの」「嘆きの白ばら」のロレッタ・ヤング、「恋の十日間」「ガス燈」のジョセフ・コットン、劇団の名女優エセル・バリモアが顔合わせする映画でRKOラジオの撮影所長ドア・シャーリーが製作した1947年作品。ジュニー・ターヴィタエ作の戯曲に取材してアレン・リヴキンとローラ・カーが協力して脚本を書き、「カッスル夫妻」「牧童と貴婦人」のH・C・ポッターが監督に当り、「スポイラース(1942)」「凸凹宝島騒動」のミルトン・クラスナーが撮影を監督した。助演者は「旋風大尉」のチャールズ・ビックフォード、「美人劇場」のローズ・ホバート、「小麦は緑」のライス・ウィリアムズ、新顔のトム・パワーズ、「冒険」のハリー・ダヴェンポートらである。

1947年製作/アメリカ
原題または英題:The Farmer's Daughter
劇場公開日:1948年4月

ストーリー

スウェーデン移民ホルムストロームはミネソタの小麦農場を経営しているが娘カトリンは看護婦志望で、州の首都セントポールて赴く。彼女は父が雇ったポスター画工のアドルフがセントポールへ帰るので、そのトラックに便乗するが、酒に酔ったアドルフが他のトラックに衝突して車をこわす。そのため2人はホテルに泊まったところ、アドルフにカトリンは口説かれたが、彼女はひじ鉄砲を食わせる。しかしトラック修繕代に、カトリンが持ち金を出したので、セントポールに着いた時は無一文だった。そこで彼女は下院議員グレン・モーレイの邸に女中奉公して、看護婦養成所へ入る学資をかせいだが、グレンがヨーロッパへ旅行する間、母のモーレイ夫人の世話をしてくれと頼まれる。グレンが帰国したとき、急死した議員の補欠選挙が行われることとなり、モーレイ夫人を会長とする党の委員会は、フィンレイを候補に立てるこの男の好ましからぬ人物であることを知っているカトリンは、演説会の席で彼の旧悪をあばいたので、喜んだ反対党はカトリンを候補者に祭りあげる。選挙戦の最中、モーレイ家にアドルフが訪れて、カトリンの醜聞を売りに来る。居合わせたフィンレイは彼を買収して、例のホテル宿泊の件を聞込む。カトリンを愛しているグレンは、この件を利用することに反対するが、結局新聞に書立てられたので、カトリンは候補を断念して田舎へ帰る。政治界を引退する決心で彼女の後を追って来たグレンとカトリンは、彼女の父に戦い抜けと激励されてとって返す。モーレイ夫人はフィンレイに酒を盛り、アドルフを監禁して4人のよた者に見晴らせていることを知る。それを聞いたグレンとカトリンは、アドルフを救出して放送局へ伴い、カトリンの潔白を放送させる。かくてカトリンは再び立候補し当選したので、グレンと相たずさえて政界に立つ。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

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映画レビュー

4.0明朗闊達なロマンティック・コメディの傑作だ。

2024年11月10日
PCから投稿

スウェーデン系の農家の娘が、持ち前の才知を発揮して、下院議員を目指すロマンティック・コメディ。主人公は、政界の実力者である女性に見込まれ、その息子である下院議員と恋に落ちる。 全編を通じて、明朗闊達なコメディだ。無茶な展開が多いのもご愛嬌。このため、愛国心と民主主義というメッセージを感じることも出来るが、それを気にせずとも、最後まで楽しく鑑賞できる。 ロレッタ・ヤングが、まっすぐな才知を持ち、スキャンダルも乗り越える主人公を、魅力的に演じている。理想主義に過ぎる話だという方もいるかも。しかし、本作が持つ純朴な面白さは、色あせてないと思う。 上昇志向の女性が政界を目指す話だが、一貫して喜劇に徹している。第二次世界大戦の勝利に沸いた、公開当時(1947年)の米国を反映してるのかな。明るい希望にあふれた、ロマンティック・コメディの傑作だ。

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瀬戸口仁

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