春の雨の中を

劇場公開日:

解説

アメリカで最も美しい地域といわれるテネシー州グレート・スモーキー・マウンテンを舞台に、それぞれ家庭を持つ中年の男女の恋を描く。製作・脚本は「夜の大捜査線」でアカデミーを受賞したスターリング・シリファントでプロデュース第1回作品。監督は「いつか見た青い空」のガイ・グリーン、原作はレイチェル・マドックス、音楽はエルマー・バーンスタイン、撮影はチャールズ・ラング、編集はフェリス・ウェブスターが各々担当。出演は、アンソニー・クイン、イングリッド・バーグマン、フリッツ・ウイーバー、キャサリン・クロフォード、トム・フィールディング、ヴァージニア・グレッグ、ミッチェル・シルバーマンなど。

1969年製作/アメリカ
原題または英題:A Walk in the Spring Rain
配給:コロムビア映画
劇場公開日:1973年5月12日

ストーリー

景色の美しい避暑地として知られるテネシー州グレート・スモーキー・マウンテンも9月のシーズン・オフで訪れる人は誰もいない。雪が降るある晩、2人の客がウイル(アンソニー・クイン)の管理する山荘にやってきた。リビー(イングリッド・バーグマン)と夫の大学教授ロジャー(フリッツ・ウェーバー)だった。ロジャーは1年間休暇をとり、この山荘で教科書をかく予定だった。1日中、タイプをたたき、読書をしているロジャー。リビーは夫のそばで編み物をしたり、お茶を入れたりの毎日。そんなある日、ビリーの退屈をまぎらわせようとウイルが2匹の仔ヤギをかかえてきた。大喜びのビリーは、早速納屋で飼うことに決めた。ウイルはヤギの世話や他の用を見つけて毎日のように山荘にやってきた。彼はビリーに好意を持っていた。やがて長かった雪の季節も終わり、春がやってきた。雪がとけ、若草の芽が萌え、花のつぼみもふくらむ。春は、グレート・スモーキー・マウンテンが1番美しくなる季節だ。ウイルがリビーを散歩に誘いにきた。彼だけが知っている美しい場所があった。丘を登ると1面の花の世界が開け、はなみずき、つつじ、野いちごなど色とりどりの花々が咲きほこっていた。2人は美しさに見とれ木の根元に腰をおろした。ウイルは愛を告白し、どちらかともなく肩をよせていった。リビーは山荘に戻ると突然、週末まで町に出ようといいだした。その夜、夫婦は久しぶりにダンスを踊り、買い物をして週末を楽しんだ。リビーとロジャーが山荘に戻ると、ウイルが庭先で木を切っていた。ロジャーが仕事を始めると、ウイルはリビーを納屋に連れ込み、いきなり抱きしめた。「おれは、いつまでも待てない」というウイルにリビーは唇を合わせていった。卵と卵をぶつけあうお祭の日、リビーとロジャーはウイルの車に乗って会場に向かった。卵合戦の会場は人があふれ、いつの間にかリビーとロジャーは離ればなれになってしまった。肩よせて歩いている2人を、ウイルの1人息子が見ていた。ウイルと息子は以前から険悪な仲だった。翌日、リビーが1人で散歩にでたところをウイルの息子に襲われた。偶然そこを通りかかったウイルが止めに入ると、彼は銃を向けた。だが、ウイルに殴りとばされた息子は、フェインダーの角に頭をぶつけ、息をひきとった。息子の葬式も終わり、山麓は再び静かになった。リビーも夫と共にこの美しい土地を去ることになった。「あんたは都会に去ってしまう、だが俺はここであんたが戻ってくるまではいつまでも待っている」というウイルの声を耳にしながらリビーは車を走らせていってしまった。

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