闘争の丘
解説
「超速大陸闘争」「沿岸警備船」と同じくジョン・ウェインが主演する映画で、「魔の航空路」「国際探偵X9号」のジーン・ロジャースが相手役を演じている。ジャック・ロンドン作の小説を「西部の掟」のチャールズ・ローグが脚色し、「仮面の人(1937)」「大陸の快男児」のデイヴィッド・ハワードが監督に当たり、「西部の旋風」「山塞の荒鷲」のアーチー・スタウトが撮影した。助演者は子役トミー・バップ、「黒地獄」のワード・ボンド、「有閑火遊び」のフランク・シェリダン、エディ・ボーデン、ハリー・ウッド、ブライヤント・ウォッシュバーン等である。
1936年製作/アメリカ
原題または英題:Conflict
ストーリー
1890年の頃、サムを支配人とする八百長ボクシング業者はカリフォルニア州で興業することになった。一行は大々的に「打倒王カリガンと4回戦まで続いた者には1000ドル贈呈する」と宣伝した。カリガンと対戦するのは少し前からこの地に住んでいる青年パットである。ところが彼は人々の予想を裏切ってあっさり1回戦で敗れてしまった。実はパットはこの一行の回し者で、変名して世人の眼をごまかしていたのである。このからくりを嗅ぎつけたのはサンフランシスコの新聞だった。事実をスッパ抜かれそうになったので、一行はこの地方の巡業御断念して田舎廻りを思い立ち、北部の未開森林地帯へ出掛けることになった。パットは相棒スパイダーをともに連れ、先発隊として樵夫に化け善良な青年を装って樵夫の仲間に入って働くことになった。サンフランシスコの新聞社はサムの一行がこの地方に向かうのを知って、女記者モードを派遣して彼らの悪企みを暴こうとする。パットはモードと知合ってから、お互いに愛を覚えるようになった。ある日、孤児院を脱走した少年トミイが激流に落ちて危なかった時、パットは身を挺してこれを救った。その時以来、少年は彼を英雄のように尊敬するので、パットはトミイを孤児院から引き取って育ててやることにする。彼は少年の純情とモードの愛、そして彼に親しくする純朴な村人たちのことを思うと、今までの不正興業を深く恥じ入るのだった。そのうちふとしたことから、パットは樵夫仲間の乱暴者ケリイを殴り倒したので、樵夫たちから打倒王カリガンの相手に推薦された。翌日から彼はスパイダーやトミイといっしょに猛練習を始めた。いよいよ7月4日の独立祭に試合は挙行されることになったが、パットは皆の純情を裏切って不正な八百長試合を演ずるに忍びず、事情をカリガンに打ち明けて公正な試合を要求した。カリガンは大いに怒って卑怯にもグローブを石膏で固めたが、まさに試合が開始されんとする瞬間、スパイダーによってその不正が看破された。観衆の熱狂裏にゴングは鳴り、ものすごいボクシングが展開されたが、パットは見事第1回戦でカリガンをマットに眠らせた。かくしてサム一味の不正は滅ぼされ、パットは愛するモードと結婚した。