デカメロン夜話(1953)

解説

ボッカチオの古典「デカメロン・ナイツ」のうちから『海賊パガニノ』『道徳の賭け』『医師の娘』の3篇を映画化したテクニカラーの1953年作品。「吹き荒ぶ風」のヒューゴー・フレゴニーズが監督し、「ドン・ファンの冒険」のジョージ・オッペンハイマーが脚色した。撮影は「三文オペラ」のガイ・グリーン、音楽はアンソニイ・ホプキンスの担当。主演は「皇帝円舞曲」のジョーン・フォンテインと「女海賊アン」のルイ・ジュールダンでビニー・バーンズ「海賊バラクーダ」、英国俳優のジョーン・コリンズ、ゴドフリー・ティアルらが助演。

1953年製作/アメリカ
原題:Decameron Nights

ストーリー

1330年、イタリアのフロレンスに、作家ボッカチオ(ルイ・ジュールダン)がフィアメッタ(ジョーン・フォンテイン)という若い未亡人をたずねてやって来た。彼女は亡き夫に操をたて、いままでボッカチオの求愛を拒みつづけてきた。ちょうど町はローレンツォ公爵軍の侵攻をうけ、フィアメッタは町はずれの女ばかりが避難している別荘に逃れていた。彼女は折角訪れてきたボッカチオを男子禁制を理由に追い返そうとしたが、同宿の女たちにせがまれて宿泊を許した。彼はフィアメッタを口説き落すために、毎日、夕食後に恋物語を話してきかせた。第1話[海賊パガニノ]若く美しいバートロミイ(ジョーン・フォンテイン)は、年老いた夫が金と食物にしか関心がないので、女として満足することができなかった。ある日、夫と海に釣に出たとき、彼女は襲撃してきた海賊船の船長パガニノ(ルイ・ジュールダン)の男らしい魅力に惹かれ、わざと彼の捕虜となって身を許した。だが、意気地なしの夫は、金の力で彼女を救おうとしたので、彼女は全く夫に嫌気がさし、ほんとうに海賊と結婚してしまったー。ボッカチオの物語は30数夜にわたってつづいたが、フィアメッタは陥落しないばかりか、逆に貞節を守った女の物語を彼に語った。第2話[道徳の賭け]長く家を離れていた老商人バーナボは、彼の若妻ジネヴラ(ジョーン・フォンテイン)の貞操をめぐって、遊び人のグイリオ(ルイ・ジュールダン)と賭けをした。グイリオはすぐにバーナボの家にかけつけ、ジネヴラの寝室に忍び込んで、熟睡している彼女から巻毛を切りとり、アザの位置を見定め、首飾りも盗んだ。グイリオは賭けに勝ち、失望し怒ったバーナボは、妻に刺客をさし向けた。刺客は彼女を殺すに忍びず、モロッコに逃した。彼女は男装してサルタンの小姓となり、グイリオと彼の雇人になり下った夫とにめぐり逢った。彼女は勇気をふるいグイリオを誘惑して接吻させ、彼に「こんな素晴しい味の女は初めてだ」といわせ彼と同衾したことがないことを証明したー。ボッカチオは妻を殺そうとする夫など、夫の価値なしとけなして、貞節な女と彼女の夫たる価値のある男との話をはじめた。第3話[医師の娘]フランス国王が重態におち入り、急使がスペインの独身女博士イザベラ(ジョーン・フォンテイン)の許にとんで来た。急使は美男子の騎士ベルトランド(ルイ・ジュールダン)で、彼は極めて冷淡に彼女をパリーに護衛した。イザベラは見ごと国王の病をなおし、褒美に何なりと望めといわれたときベルトランドを夫にのぞんだ。ベルトランドは結婚は人生の墓場と心得ていたが、国王の命令で仕方なく結婚式をあげた。が、式が終わると彼女に、私の指環をつけ私の子を生んだら同棲しようといって独り立ち去って行った。イザベラは何とか夫をとり戻そうと考え夫がイタリアの旅館ブカの娘マリアを誘惑しようとしていることを聞いて、旅装も美しくイタリアへ旅立った。宿屋についたイザベラは、マリアの身代りに真暗な部屋で彼と一夜を明かし、彼の指環をぬきとり、帰って行った。10ヶ月経って、イザベラから子供が出来たと知らされたベルトランドは妻の姦通を怒って押しかけて来た。しかし、彼女から指環を見せられブカ宿の一夜の真相をさとり、惚れぼれと彼女を抱いた。ー話し終ったボッカチオは、これで永久にお別れだといってひとり部屋にひきあげた。フィアメッタは彼を失いたくなくなり、衣裳も貞節心も脱ぎすて、ボッカチオの部屋に入って行った。

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