世界は進む

解説

「肉弾鬼中隊(1934)」「戦争と母性」と同じジョン・フィードの監督作品で、「カヴァルケード」「心の緑野」の脚色を行ったレジナルド・バークレイが原作並びに脚本を書いた。主演するのは「空襲と毒ガス」のマデリーン・キャロルと「ダンシング・レディ」「南風」のフランチョット・トーンとの2人で、これを助けて「昨日」「肉弾鬼中隊(1934)」のレジナルド・デニー、舞台俳優のシグ・ルーマン、「巨人ジョーンズ」「地獄の市長」のダッドリー・ディグス、「心の緑野」「歓呼の嵐」のステピン・フェチット、「空中レヴュー時代」「素晴らしき人生」のラウル・ルーリエン、その他、ルイズ・ドレッサー、ラムスデン・ヘーア、ジョルジェット・ロード、ラッセル・シンプソン、等多数に出演している。撮影は「ヤング・アメリカ」「戦争と母性」と同じくジョージ・シュナイダーマンの担任である。

1934年製作/アメリカ
原題または英題:The World Moves On

ストーリー

1825年ニューオリンズの富める綿花業者セバスチャン・ジラードはマンチェスターの工場主ウォーバートンと計り以後両家が提携して事業を行うことにした。で、長男リチャードは米国に、カルロスはフランスに、ジョンはドイツに、そしてウォーバートンは英国に、それぞれの事業の根を張ることとした。この家庭がジオラード邸で確立されたとき、リチャードはウォーバートンの若い妻メエリーと相なり、互いに恋心を覚えたが、メエリーが夫と共に英国に帰ってこの恋は儚い終わりを告げた。それから年が経ち、1914年の始め、また一族は世界各国からジラード邸に集まった。そのとき、当時のジラート家の長子リチャードはかつてのウォーバートンの孫たるジョン・ウォーバートンの娘メエリーと、相知のごとき思いの糸に引かれて、互いに恋心を覚えた。しかし、メエリーにはジョン・ジラートの血を引く今のゲルハルト家の長男エリックという殆ど許嫁同様の人物が居た。その後ドイツでゲルハルト家のフリッツとフランスのジラード家のジャンヌとの結婚の式が挙げられたが、その席上でエリックが不用意にも彼とメエリーとの婚約を発表した。これに怒ったリチャードは直ちにドイツを去ってパリへジャンヌの兄のアンリとともに去って行った。だが、そのとき、欧州対戦が勃発したのである。そしてリチャードもアンリと共に出征した。この対戦中、ウォーバートンとジラート家の当主ジャールスとは大西洋を航行中、ドイツの潜水艦に撃沈されて死んだ。この潜水艦はフリッツの指揮したものであったが、彼の艦もその後連合軍の駆逐艦に襲われて、海の藻屑と消えた。一方、リチャードは休暇中に、ロンドンにメエリーを訪れた。メエリーは今まではウォーバートンの工場主なのであるが、戦争の惨劇を思って武器を造ることを拒んでいた。誤解が解けたリチャードはメエリーと結婚したが、その後戦線で傷つき、ドイツ軍に収容された。ゲルハルト家は戦争で貧しくなっていたが、リチャードを己が家に引き取って手厚く看護した。アンリも重傷を負ったがその傷が癒えたとき、彼は聖職に付く事になった。戦後ジラード・ウォンバートンの一族は再び事業に没頭した。そしてリチャードは夫の物欲を嘆いたのだけれど彼は聞き入れずに益々事業に手を伸ばした。だが、このときに財界の恐慌が来た。そしてリチャードは破産した。物欲に走った世界は今や次なる戦争の準備を整えつつある。そのとき、リチャードは今は愛を求めてメエリーとともに古いニューオルリーンズの懐かしの我が家に帰っていった。

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