スタア誕生(1954)のレビュー・感想・評価
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『EB ♥←NM』
実は恥ずかしながら初見です。
『ヘイ!』『何?』『君の顔が見たかった』
太平洋に沈む殺夕日。目覚めたばかりなのに日沈む。
この映画には色々なサブストーリーが含まれ、既にスタアのジュディ・ガーランドがスタアを演じます。マリリン・モンローメイクをアイロニーしたり、ジーン・ケリーのタップを模倣したり、色々演じます。今、見て凄いと思いますが、何故この映画がアカデミー賞を取れなかったか?元より取るつもりが無い作品だと思いました。
そこが凄い。ジュディ・ガーランドは既にスタアであり、この作品に出て、スタアを演じる必要は全くありません。見方によっては嫌味な作品にも見えます。
時間が経過して鑑賞して、ジュディ・ガーランドの良さがわかるのだと僕は思いました。初見で良かったのだと思います。
映画会社のCEOが途中、映画を見ないでテレビのボクシングの中継を見ようとしますが、この映画はテレビ時代をも予見しているような気がします。
ジュディ・ガーランドの最後のヒット作なのでしょうが、気が早いかも知れませんが、ハリウッド寡占時代の終焉をも予見しているのかもしれないと感じました。
ネタバレですよ。
『This is Mrs Norman Maine』
『私はノーマンメインの妻です』
と訳せば良いのかなぁ?
勿論、『a』は無しですね。
凄い終わり方。
追記
今、テレビ時代ではあるが、そのテレビの時代も終わりの予感がする。良し悪しは兎も角。ジュディ・ガーランドって美人じゃないけど、可愛いよね♥
175分は長すぎる・・・
『雨に唄えば』(1952)のような男2人女1人の3人グループ。彼らの歌と踊りだけでも満足いくステージなのだが、酔っ払いのスター、ノーマンがステージ上に乱入。上手く取り繕ったエスターであったが、さすがにハリウッドスターだけあって観客も拍手喝采。
最初は映画に誘われたエスター。そこからの映像がセピア色のモノクローム写真をスライドで流すような感じ。もしかして端折ったのか?それともNGだったのか?まるでドキュメンタリー映画の雰囲気になる。その後も静止画像が挿入され、徐々に違和感が・・・
平坦な展開。それが崩れるのは後半、ヴィッキー・レスターと名を変え、アカデミー賞を受賞したとき。酔っ払ってセレモニーに現れたノーマンは「仕事をくれ」とくだを巻く。彼女を成功に導いたのはノーマン。だけど、約束した禁酒も守れない。その彼を「飲まさない」ように救うこともできないジレンマ。彼は友達にもなぐられ、そのまま行方不明、警察に逮捕・・・演技はどんどん落ちてゆく・・・
エスターの歌を聴きながら、夕陽の綺麗な海岸で入水自殺。最後までスキャンダラスな俳優だったノーマンだった。
歴代
不世出の 歌手
1954年 アメリカ映画
ガーランドは 50年に MGM解雇、51年に ミネリ監督と離婚
プロデューサー/シド・ラフトの力を借り、コンサートで カムバック、彼と結婚
54年 この映画で映画界カムバックを狙う
しかし、彼女の素行のせいで 予算と撮影時間が拡大し、今度は ワーナーの怒りを買う
(このせいで オスカーを逃した、と言われている)
彼女は エスターを演じたが、ノーマン・メインなのである
幼少でMGMに入った時、ガーランドに メインの様な人物は おらず、利用される
容貌コンプレックスになり、酷使され、薬物依存になる… 素行不良になったのは、彼女だけの責任ではない
この映画で エスターとして、ガーランドの人生と ショービジネス界を語らされ、ノーマン・メインに自分を重ねて 見ることは、辛かったに違いない
起死回生を狙った この映画は、名作だが
彼女の側から見ると、かなりの露悪趣味でもある
(この位しないと 駄目なのか… )
この作品を見ると、ガーランドという歌手が ただ者ではないことが 判る
映画の中で 友人達とセッションをしているが、ああやって 長く歌い続けて欲しかった
残念な 早過ぎる死である
映画の 3/4位は ガーランドのものだが、受けにまわったメイスンも、いい演技をしている
酔っ払って ガーランドと踊っているシーンが、好き
弱い心(でも繊細、感受性 強い)の ノーマン・メインが 海に入って行く迄の 心の動きが、手に取るように理解出来、彼にも 泣かされる
☆☆☆★★ この時ジュディは、スターの座に返り咲いた事で、人生最高...
☆☆☆★★
この時ジュディは、スターの座に返り咲いた事で、人生最高の絶頂期に有った。
映画本編は。その後の彼女の運命をなぞるが如くの内容に、思わず身悶えしてしまう。
何故にこれ程の復活を遂げながら、断崖から突き落とされてしまったのか?
ジーン・ケリーははっきりと「MGMの首脳陣の画策」…と語っていたと言う。
「彼女のおかげで稼げたのに!」…と。
この言葉が真実だったならば、映画本編にも同じ台詞が有るのが…。
今ではyoutubeを始めとする動画サイト等を通じて、簡単に彼女の動画が見れてしまう。
その昔ではそうは行かない。「何とかして彼女の映画を集めたい!」週末には渋谷に有った《すみや》を始めとして輸入ビデオ店を周る日々。当時はビデオも高額で、絶えず続く金欠は辛かったなあ〜(。-_-。)しみじみ
映画本編は、観ていてどこか野暮ったく感じてしまう。
監督ジョージ・キューカーは、女性映画を撮らせたら当時No.1の異名を取っていて。確かにドラマパートのエモーショナルな場面は素晴らしいとは思うのだけど。洗練されたMGMミュージカルとはちょっと違い。どことなく重ったるいワーナーミュージカルっぽさが漂っている。
作品中のナンバーで、過去を振り返る場面が有り。その場面がそもそも、彼女自身の生い立ちからガムシスターズとしてショービジネスへの道を歩み出す人生と重なり合い、様々な想いが交錯する。
この場面の台詞で、彼女は「Show must go on」と言う。
当時のアメリカでは、彼女はこう呼ばれていた。
【Miss show Business】
夫は流れ星
売れっ子俳優が楽団所属の女性歌手の才能を見い出すお話。彼女がスターダムへのし上がると共に、彼のほうは下降線へ。その流れは"The Artist"に似ています。
つい酒に逃げる自己嫌悪感や嫌なことを忘れるために、また酒に手を出す悪循環の夫は、最期に愛する妻を悲劇のヒロインにして彼女のキャリアを潰さずに済むことに気付く。今の自分の存在を通して、夫の社会的評価を高めることが出来ると気付く妻。彼女の最後の短い台詞に夫への感謝と愛が込められていて素敵です。ハリウッドスターの入れ替わり、売れた途端に彼らを取り巻き、ネタにしてたかる経営陣やマスコミなど、ハリウッド事情がわかりやすく描かれていたと思います。
Judy Garlandの美声と美脚を堪能しました。Intermission前の、自分の人生と重ねて歌いきる所が凄いです。何なら最後も歌って欲しかった。
"La La Land"が凡作だと、実力の差を見せつけて再確認させられる秀作です。
ジュディ・ガーランド
1976年のバーブラ・ストライサンド版もよかったが、このジュディ・ガーランド版もよかった。
人気スターの男(ジェームズ・メイソン)が歌のうまい女の子をスカウトし、スターに育て上げるが、自分は落ち目になってしまう。
歌も踊りも最高で、彼女自身を投影したかのような男への対応は、何とも言えないやるせなさが伝わってくる。
よかった
伊集院光さんの『TSUTAYAに行ってこれ借りよう』で紹介されていて気になっていたのをやっと見た。
歌と踊りと美術が素晴らしく別世界を覗いているような気分になる。
それに比べておじさんが、あまりにつらく現実的であった。アカデミー賞の授賞式のステージに泥酔して現れ「仕事をくれ」と惨めなスピーチをしたと思ったら、主役以外はやらないとせっかくのオファーにNGを出すなど、完全に自分に負けている。奥さんの扶養として地味に暮らすことや脇役を受け入れさえすれば楽に生活できるのに、しかしそれこそが人間とも言える。なんならもっと早目の段階で華々しく命を散らしてしまった方がよかったのかもしれない。
最高に素晴らしい瞬間に人生が終わればいいのにとよく思うのだが、そうならないのが人生の恐ろしいところでもあると、改めて思った。
この映画は一生忘れないでしょう
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