シャーロック・ホームズ(1932)

解説

「第一年」「国境の狼」のウィリアム・K・ハワードが監督した映画で、アーサー・コナン・ドイル作の物語によって、パール・ホワイト主演の連続映画の脚色者と知られたバートラム・ミルハウザーが脚色した。主役はパラマウント映画「シャーロック・ホームズ(1929)」に主演したクライヴ・ブルックが勤め、英国劇壇から来た新進のミリアム・ジョーダンが相手役で、「男性の血潮」「メリケン押切帳」のアーネスト・トーレンス、「戦く幻影」「令女学」のアラン・モーブレイ、レジナルド・オーウェン、ハワード・リーズ、スタンレー・フィールズ、ハーバート・マンディン、ロイ・ダルシー等が助演。キャメラは「街の風景」「地獄のサーカス」のジョージ・バーンズの担任である。

1932年製作/アメリカ
原題:Sherlock Holmes

ストーリー

多年シャーロック・ホームズ探偵を苦しめた兇悪なる犯人モリアーティー教授も遂に捕らえられ死刑を宣告された。だが彼は、自分の死ぬ前に必ずホームズ探偵とそれから警視庁智能犯係長たるゴアキングとが死ぬと気味悪い予言をするのだった。ホームズはモリアーティーの死刑が終わったら恋仲のアリス・フォークナーと結婚し、探偵商売から足を洗う筈なのである。ところが、死刑執行の前日に、モリアーティーは脱獄して了った。ホームズ探偵は再び犯人逮捕の仕事にかからねばならなかった。そして若い朗かな青年ビリイを助手とした。一方、モリアーティーは、ヨーロッパ及びアメリカから腕利きの悪漢を集めて、これに対した。ホームズに対する復讐と、併せて彼らの仕事の邪魔ものを無くさんため、悪漢たちは先づ手はじめにゴアキングとホームズとの離反策を考え出した。両者の間の確執を利用して、どっちか一方を手を下さずして倒そうというのだ。ホームズがゴアキングを射殺すれば、とりも直さずホームズは殺人罪として絞首されることになるという企てだ。ホームズの手許に、ピストルをもった男が射殺にやってくるという知らせがやってきた。そこでホームズはワトソン博士に、その男がやってきたら先づ最初に射ってそれから調べにかかることの証人になってもらう。同時に、ホームズの名でゴアキングの許に一通の手紙が届けられる。文面によれば、内々に話したきことあれば、是非ともホームズ宅まで御来訪下さいとの旨。計画はかくして着々進められた。ホームズがゴアキングを誤って射殺するだろう、そしてホームズは捕らえられ、天下はモリアーティーのものだ、と悪漢たちはほくそ笑んでいた。だが事実は予期に反して、ゴアキングとホームズとは互いに欺し合っていたため、ことなく済み、変装したホームズはモリアーティーの後を追跡して行く。アリスはビリイと語り合っていたが、ホームズの一命危うしとの報をもたらした見知らぬ男の言葉にのせられて、ついにモリアーティーの罠に陥る。ホームズはビリイからことの次第を聞き直ちにモリアーティーに近づき、機智縦横、ゴアキングとその部下とが駈けつける前についに兇漢を逮捕する。モリアーティーは死刑台に送られ、ホームズは探偵の職を辞し、アリスと共に田舎へ引っ込むこととなった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く