最後の脱出
劇場公開日:1971年10月26日
解説
環境汚染によって人間社会の危機が迫り、追いつめられた人間が最後に試みる脱出行をドキュメンタリー・タッチで描く。製作・監督は「ビーチレッド戦記」のコーネル・ワイルド、ジョン・クリストファーの小説をジェファーソン・パスカル、ショーン・フォレスタルが共同脚色、撮影は「裸のジャングル」のH・A・R・トムソン、音楽はバーネル・ホイブリーが編曲・指揮、主題歌はロジャー・ホイッテーカーが歌っている。出演は「わが命つきるとも」のナイジェル・ダベンポート、ワイルド監督夫人で「ビーチレッド戦記」のジーン・ウォレス、ジョン・ハミル、新人リン・フレデリック、「地獄の罠」のパトリック・ホルト、ジョージ・クールリス、アンソニー・メイ、ウェンディ・リチャードなど。パナビジョン、メトロカラー。1971年作品。
1971年製作/アメリカ
原題または英題:No Blade of Grass
配給:MGM
劇場公開日:1971年10月26日
ストーリー
環境汚染から穀物が死滅し、東洋から世界中に広がっていった飢饉が、西ヨーロッパに迫っていた。ロンドンの若い化学者ロジャー・バーナム(ジョン・ハミル)は、飢饉の原因のビールスの研究を続けていたが、現代科学の手に負えず、政府も近々、都市隔離の非常手段に出ることを知り、友人の建築家ジョン・カスタンス(ナイジェル・ダベンポート)とロンドン脱出をもくろんだ。目指すところは、ジョンの兄デビッド(パトリック・ホルト)のイングランド北部の農場で、そこには食糧も豊富にあるはずであった、彼らはジョンの妻アン(ジーン・ウォレス)と娘のマリー(リン・フレデリック)を連れて、2台の車で出発した。間もなく、彼らは暴漢に襲われた。危うく切り抜けた後、護身用にと銃砲店で武器弾薬を買おうとした。店の主人は断ったが、店員のピリー(アンソニー・メイ)は主人を射殺して、彼らの求めに応じ、妻のクララ(ウェンディ・リチャード)とともに一行に加わった。一行は軍の検問所を突破すると、途中でジョンの息子と仲良しの孤児を拾い上げ、目的地へと急いだ。ロジャーとピリーの運転する2台の車が遊びに興じているあいだに、ジョンの車が「フン族」と称するオートバイの3人組に襲われ、アンとマリーは犯されてしまった。戻ってきたロジャーたちは2人を射殺したが、1人に逃げられてしまった。一行はヨークシャーで農民の通行止めにあい、車や武器や、食糧までも取り上げられてしまった。歩いて旅する一行は、一軒の農家を見つけ食物を乞うと、いきなり銃を突きつけられた。怒ったピリーはその男を射殺した。その夜、廃坑小屋で夜を明かすことになったが、ジョンが見張りに立ったときクララが彼を誘惑しようとして、ピリーに射ち殺された。旅を続けるうちに原野で、女子供を混じえた30人ほどのグループにあい、一行と合流させた。一行が十字路で疲れ切った体を休めていると、突然「フン族」のオートバイ部隊に攻撃された。必死の防戦でようやく彼らを撃退したが、こちらも数名の死者がでてしまった。ついにデビッドの農場に辿り着いたが、農場は柵や機関銃で要塞化されていた。デビッドはこのような多人数は養いきれないと言い、ジョン一家とロジャー以外の人々を拒否したので、ジョンは他の人たちを思い、最後には非常手段に訴える決心をした。壮烈な撃ち合いのすえ、デビッドとピリーが死んだ。農場に入ったジョンとロジャーは死体を埋葬し、彼らが執らざるをえなかった野蛮な行為に対して、神の赦しを乞うのだった。(MGM配給*1時間37分)
スタッフ・キャスト
- 監督
- コーネル・ワイルド
- 脚色
- ショーン・フォレスタル
- ジェファーソン・パスカル
- 原作
- ジョン・クリストファー
- 製作
- コーネル・ワイルド
- 撮影
- H・A・R・トムソン
- 歌
- ロジャー・ホイッテーカー
- 編集
- Frank Clarke
- エリック・ボイド・パーキンス
- 編曲
- バーネル・ホイブリー
- 指揮
- バーネル・ホイブリー