エル・スール
劇場公開日:2017年3月25日
解説
「ミツバチのささやき」のビクトル・エリセ監督が、同作から10年を経た1983年に発表した長編監督第2作。イタリアの名優オメロ・アントヌッティを迎え、少女の目を通して暗いスペインの歴史を描いた。1957年、ある秋の日の朝、枕の下に父アグスティンの振り子を見つけた15歳の少女エストレリャは、父がもう帰ってこないことを予感する。そこから少女は父と一緒に過ごした日々を、内戦にとらわれたスペインや、南の街から北の地へと引っ越した家族など過去を回想する。2017年、世界の名作を上映する企画「the アートシアター」の第1弾として、監督自身の監修によるデジタルリマスター版が公開。
1983年製作/95分/スペイン・フランス合作
原題:El Sur
配給:アイ・ヴィー・シー
日本初公開:1985年10月12日
スタッフ・キャスト
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2022年9月8日
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鑑賞方法:映画館
目黒シネマ 幼いまなざし特集2
『ミツバチのささやき』との二本立て
前情報なしで観たので、ミツバチのささやきと同じ、ビクトル・エリセ監督と後から知りました。10年に一度しか撮らない監督という事も。
振り子にL字ダウジング!
父親がホントに仕事で使ってたなんてワクワクします。
水脈を発見するのに、コインでのお手伝いも羨ましい。
父と娘の信頼関係が伺えます。
ちなみに、ドラえもんで、のび太くんがダウジングやってたのを思い出しました。
父と娘、父と母、母と娘の関係
内戦による父と祖父の関係。
父と思い女との関係。
ミツバチのささやきの時もそうですが、子供の目線、秘めたる大人たちの心。そんな機微が描写されてるのは、エルゼ監督自身の何かが投影されてるのでしょうか。
印象的なシーンもいろいろあるのに、自分自身がヘロヘロで、寝ても仕方ないくらいで見ていたので、なかなかしんどかったです。
あとは困ったことに、ずっと主演の女の子の口が半開きなのが気になってしまい…
不正咬合なのか、おそらく口呼吸。
駆け足の時の不安定な姿勢…
そういうことで集中できない職業病(泣)
ミツバチのささやきは大好きな作品ですし、レビューを拝見して、出直します。
2022年4月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
30ウン年ぶりに見た。絵画のような画面の美しさに、当時と同じように再び感嘆した。まるでレンブラント、それともスペインだから、ゴヤだろうか。光と影の扱い方が、本当にうまい。窓の外が白み始めて、ようやくわかる部屋の様子。黒々とした物陰の中から現れる父。画作りは素晴らしい。
かもめは風向きを示すはずなのに、常に南を指す。振り子は何かを導いてくれるが、明らかな答えを出してくれはしない。内戦で傷つき、過去を語らず、屋根裏に籠る父は、隠者めいている。南へ行こうとしていた父の代わりに、エストレリャは南に向かう。彼女が何を見て何を感じるか、この先は作られなかったので、知ることはできない。
ヨーロッパの子ども服って、かわいいよなぁ。グレーのワンピースで、赤と青の刺繍がされてるの、すごく好き。白い服も素敵だった。あと、星の指輪がおしゃれ。8歳頃のエストレリャが、佐久間由衣に似てると思った。
2019年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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主人公の少女はお父さんが大好きだ
初聖体拝受の日を迎え儀式の後に
家族の前で父と躍る少女はとても嬉しそうで
幸せそうだった
私はこのシーンを観て泣いてしまった
ところが、あることをきっかけに
父への感情が変わっていく
場所も北の国だそうだが、なぜか物寂しい気配が
全体を取り巻く
少女の目を通して場面 場面を描くさまは
自分も主人公になった気分だ
しかし何故こうになってしまったのは
内戦と言う恐ろしい出来事だ
争いは幸せを踏みにじる
2019年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
居てくれれば良かった存在の父が、
大人になるエストレリャには段々不思議な存在になり、
色んな詮索をし始め、そしてベッドの下に隠れる。
それでも父は探しに来ない。
ここで普通の娘ならぐれちゃうけど、
それでも父の悩みを思う娘の気持ちが切ない。
でもそれをあからさまに言うわけでもない。
父も娘を大事にしていない事を反省する。
そこでまさか自分の悩みの種を娘に見抜かれている。
でもタイムアウト。
父と娘、年を重ねるほど難しくなる関係性に、こちらが悶える。
それにしてもスペイン内戦はあまり知りませんが、
これだけ影響しているともっと知りたくなりました。