拳銃王

劇場公開日:

解説

「私も貴方も」などのシナリオ・ライターとして知られるナナリー・ジョンソンが製作を担当した1950年度西部劇。「ジャングル・ブック(1942)」などのエディターであり最近監督に転じているアンドレ・ド・トスと西部劇専門のウィリアム・ボウアズの原作を、ボウアズとウィリアム・セラアスが脚色、「地獄への道」のヘンリー・キングが監督している。撮影は「純愛の誓い」のアーサア・ミラア、音楽は「イヴの総て」のアルフレッド・ニューマンが担当する。「白昼の決闘」のグレゴリー・ペックを中心にしてヘレン・ウェスコット、ミラード・ミッチェル、スキップ・ホメイヤーらが出演するほか、戦前スター、ジーン・パーカーがカムバックして顔を見せている。

1950年製作/アメリカ
原題または英題:The Gunfighter
配給:セントラル
劇場公開日:1951年11月13日

ストーリー

西部きっての速射の名人とうたわれ、悪名一世に轟き渡っていたジミイ・リンゴオ(グレゴリー・ペック)は、やくざから足をあらい、別れた妻と再縁して平和な生活に戻ろうと、彼女の元へ急いでいた。途中、彼に喧嘩を売って名を揚げようとしたチンピラを正当防衛で射倒した彼は、被害者の3人の兄たちからつけ狙われつつ、妻の住むカイアンの町へ辿り着いた。リンゴオ来るの報に町は大騒ぎになったが、昔彼の仲間であった保安官のマーク(ミラード・ミッチェル)は、妻との話がつき次第、直ちに町を立退くよう、彼に忠告した。しかし妻のペギイ(ヘレン・ウェスコット)はマークに向かって、夫とは会いたくないとつっぱね、一方酒場で事の成行きを案じているリンゴオの所へはやくざのハント(スキップ・ホメイヤー)が喧嘩を売りに押しかけて来た。マークから妻の意中を聞いたリンゴオはおとなしく町を去ろうとしたが、偶然旧い女友達の唄手モリイ(ジーン・パアカア)が彼をみつけ、妻をもう1度口説くことを約したので、彼も追手が迫るまで待つことになった。保安官は気負い立つハントを町から去らせ、そしてやっとリンゴオは駆けつけた妻と息子に会うことが出来、1年後の再会を約した。その時3人の追手は酒場の外へ迫り、保安官がそれを発見して、出発しようとしたリンゴオは間一髪で難を免れたが、瞬間、物陰からのハントの1弾が彼を倒した。リンゴオは、自分を射った青年に、死ぬまでやくざの苦しみをなめるがいいと叫びつつ、息を引き取った。リンゴオの葬式の日、町からは新しいやくざの英雄ハントが旅立っていく。

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受賞歴

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映画レビュー

1.5撃ち合いが無い西部劇

2022年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

撃ち合いらしい撃ち合いが無い西部劇。 恐らく、「西部劇で撃ち合いを見せなくても、人間ドラマは見せられるんだ!」と意気込んで作られた映画なのかも知れない。(…真偽不明) それでも、やっぱり盛り上がりに欠ける西部劇であった。 「1880年代、最も早撃ちのテキサス人=ジミー・リンゴという男がいた」というテロップに続いて映されたジミー・リンゴを演じるのはグレゴリー・ペック。 この俳優の映画はそれなりに観てきて、申し訳ないのだが、グレゴリー・ペックは早撃ちで凄腕ガンマンに見えない(笑) 冒頭にリンゴと諍いをした3人の男を残して、リンゴは町の酒場にやって来た。 そして、リンゴは以前愛し合った女性教師と自分の息子を愛しているようだが、リンゴに絡んでくる若者(バカ者?)、リンゴと銀行強盗していた保安官、そして愛する女性教師の姿などが描かれる。 本当だったら、感動するようなドラマになっていくのだろうが、そうでもない…。 またジミー・リンゴを追いかけてきた3人の男達とのバトルになるかと思えば……。 さまざまな「何かが起こりそう」という雰囲気だけを見せておいて、「オイオイ、その終わり方は無いだろう…」という肩透かしの映画だった。

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たいちぃ

3.5アウトローの宿命の虚しさが特徴の反ヒロイズム西部劇

2020年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ジョン・フォードの名作「駅馬車」と同じくリンゴ・キッドをモデルにした西部劇でも、アクションシーンは少なく、アウトローから更生しようとする主人公ジミー・リンゴの心理状態をメインにした人間ドラマ。実在のリンゴは、1882年に32歳の若さで謎の死を遂げている。34歳のグレゴリー・ペックが口ひげを付けて似せているが、既にスターの貫禄漂い落ち着いていて実年齢より大分上に見える。 物語はカイエンという町にリンゴが朝7時50分に訪れてから、8年前に別れた内縁の妻と息子に再会する10時15分までの短い時間に、主要場面となる酒場、保安官事務所、妻ペギーが教師として勤める教会、そして床屋など限られた場面に色々な人物が絡み登場して、追手から逃げるリンゴの焦りを巧みに演出している。サスペンスの効いた舞台劇の趣向を凝らした異色西部劇。 リンゴが現れて町中が騒動に巻き込まれる中で、大人たちからならず者や殺人犯のレッテルを貼られるが、男の子たちからは早撃ちガンファイターの英雄扱いを受けるところが興味深い。そこに武勇伝に駆られたチンピラのちょっかいが加わる危うさ。まだ法や秩序が整備されない頃の、作り話うわさ話の虚像が独り歩きして真実が曖昧な時代に、かつての銀行強盗仲間の保安官と命運を分けた主人公が無駄にした時間、時既に遅しの戒めが主題として浮かび上がる。

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Gustav

3.5早撃ちガンマンの末路

2020年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

リンゴ(グレゴリー・ペック)はワイアット・アープよりも有名な早撃ちガンマン。 行く先々で無謀な若者が挑戦してきて、殺さざるを得なくなる。 別れた恋人と息子を訪ねてやって来た町でも・・・。 人生は皮肉なもんだ。

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いやよセブン