恐怖の土曜日

劇場公開日:

解説

「地上より永遠に」のバディ・アドラーが1955年に製作したギャング映画。ウィリアム・L・ヒースの小説から「六つの橋を渡る男」のシドニー・ボームが脚色し、リチャード・フライシャーが監督に当たった。撮影は「三人の狙撃者」のチャールズ・G・クラーク、音楽は「ヴェラクルス」のヒューゴー・フリードホーファーである。「エジプト人」のヴィクター・マチュア以下、「野性の女(1955)」のリチャード・イーガン、「地獄の狼」のスティーブン・マクナリー、「白い羽根」のヴァージニア・リース、「スタア誕生(1954)」のトミー・ヌーナン、リー・マーヴィン、マギー・ヘイス、J・キャロル・ナイシュ、アーネスト・ボーグナイン、それに往年のスター、シルヴィア・シドニーなどが出演する。

1955年製作/アメリカ
原題:Violent Saturday
配給:20世紀フォックス極東会社
劇場公開日:1955年7月15日

ストーリー

第二次大戦中、西部のある銅山に近いブレイドンヴィルという町 。物語は夏のある金曜日の正午から始まる。宝石セールスマンと称してハーパー(スティーブン・マクナリー)を親分とするチャプマンとディルの3人組ギャングが町に来た。彼らは町に1つしかない銀行の襲撃を企てていた。ハーパーは附近の地理を調べるため図書館に行った。図書館の事務員エルシーは銀行から借りた金の返済に困り本を見に来た女の財布を盗んだ。フェアチャイルド製銅会社に勤めているシェリー・マーティン(ヴィクター・マチュア)は、旅行に出る社長から息子ボイド(リチャード・イーガン)のことを頼まれた。ボイドは浮気な妻を持ったうさ晴らしに酒びたりだった。今日も彼はホテルの酒場で酔い、そこに泊っている鉱山所属の看護婦リンダ(ヴァージニア・リース)に挑んだが、逆に彼女に同情され家まで送られる始末だった。リンダはちょうど帰って来た彼の妻エミリーに貞淑な妻になるよう忠告した。変態趣味の銀行頭取リーヴスはリンダがホテルで着換えするのを盗み見、盗んだ財布を棄てに来たエルシーに見つかった。が彼もエルシーの秘密を知ったのだ。数時間後、エミリーが夫に謝罪し、2人も町を去って新生活に入ろうといっているころ、ギャングたちは郊外の農場を占拠して根城にした。もう1人の仲間スリックがトラックを運転して到着した。土曜日の朝、休暇をとったシェリーが車で釣りに行く途中、ハーパー一味に捕えられ、農場の人たちと一緒に納屋に閉じ込められた。ハーパーはスリックを留守番に残して銀行に向かった。正午寸前、エミリーは旅行者用小切手を取りに、エルシーは借金の返済に、シェリーの妻は小切手を現金と換えに来ていた。そこへ現れたハーパー一味はリーヴスを負傷させ、エミリーを射殺して金を奪って去った。農場へ帰った一味はスリックを倒したシェリーに迎え撃たれ、チャプマン、ハーパーが倒された。最後に残ったディルは農場主に殺された。町へ帰ったシェリーは英雄として1人息子のスティーヴに歓迎され、負傷入院したリーヴスは看護婦のリンダに覗き見の罪を謝り、妻を失ったボイドは人生の皮肉と淋しさを味わった。

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