エドワード・ヤンの恋愛時代

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エドワード・ヤンの恋愛時代

解説

「クー嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」「ヤンヤン 夏の想い出」などで知られる台湾の名匠エドワード・ヤンが1994年に手がけた青春群像劇。

急速な西洋化と経済発展が進む1990年代前半の台北。企業を経営するモーリーは、自分の会社の経営状況も、婚約者アキンとの仲も上手くいかずにいる。モーリーの会社で働く親友チチは、モーリーの仕事ぶりに振り回され、恋人ミンとはケンカが絶えない。そんなモーリーとチチの2人を中心に、同級生・恋人・同僚など10人の男女が2日半という時間の中で織りなす人間模様を描き、心に空虚感を抱える彼らが自らの求めるものを見いだしていく姿を映し出す。

1994年の金馬奨で脚本賞・助演男優賞・助演女優賞を受賞し、第47回カンヌ国際映画祭にも正式出品。第79回ベネチア国際映画祭にてワールドプレミア上映された4Kレストア版で2023年にリバイバル公開。

1994年製作/129分/G/台湾
原題:獨立時代 A Confucian Confusion
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2023年8月18日

その他の公開日:1995年(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第47回 カンヌ国際映画祭(1994年)

出品

コンペティション部門
出品作品 エドワード・ヤン
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(C)Kailidoscope Pictures

映画レビュー

5.0都市を描く映画の名作

2023年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

エドワード・ヤン監督の一番の代表作は『クーリンチェ少年殺人事件』だというのが定着している。しかし、キャリア後期には『クーリンチェ』のイメージとは異なる、軽やかな作品を作るようになったのだけど、これはその走りとなった作品だ。この映画は、確か『クーリンチェ』から3年後に発表された作品だと思うが、前作とは全く異なる作風になっていて驚く。個人的には後期の軽やかなタイプの作品のが好きだ。

とにかくこの映画は、台北という街が魅力的に見える。観光的な魅力ではない。きれいな風景がいっぱいでてきたり、遊びに行く場所がたくさん映っているとかそういう意味ではなく、都市とそこに生きる人の息づかいがすごく伝わってきて、「ここで暮らしてみたいな」という気にさせるのだ。軽薄なようで何か切実なようで、人はこの都市で何を求めて生きているのか、都市に生きる生態系みたいなものが、軽やかだけど克明に刻まれている感じがする。都市を描く映画として映画史の中でも特筆すべき一本だと思う。
エドワード・ヤンの近代都市を捉える眼差しはこの後の作品でも存分に発揮され、『カップルズ』に『ヤンヤン 夏の想い出』へと結実する。軽やかだけど人間を見つめる眼差しは鋭い。この肩の力の抜けた余裕に痺れる。

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杉本穂高

5.0人はパンのみにて生きるにあらず

2023年10月7日
スマートフォンから投稿

笑える

楽しい

幸せ

物質的な豊かさだけで心は満たされない。
そんな心の空洞を埋めるものを見つけたいともがく人たちへの、慈愛の眼差しが、ロウソクの灯りのように温かい。
暗転して切り替わる場面が、独立していて、それらが一つの物語を紡いでいる、新鮮!

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アメリカの友人

4.0そうだ!このスピード感👍青春時代の毎日

2023年10月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

目まぐるしく展開する周囲
あっちでも、こっちでも
いつも、誰かが、波風立てる。
そして、深く悩み、語り合う。

青春時代は、まさに。

前半は、アメリカ映画のようでもあり
現代の韓国TVドラマのようでもある。
言葉が飛び交い
イケイケの場面が、どんどん変わる。

そして、後半
日本映画のような、暗く、重い
シーンで、綴られていく。

なんとも、憎い、構成。

で、ラストは、どうなるの?
と、気になってしょうがない。

この展開で
どう終わらせるの?

でラストカット
まいった😂
これぞ、青春映画!
👏👏👏

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SkyLock

3.5ショット、色彩が美しい

2023年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ショット、色彩が美しい(ラストの早朝のオフィスのシーンは本当に素晴らしい)。ただ、やや「演出過多」な感じがしないでもない。「演出がでしゃばっている」と言っては言い過ぎになるだろうか。また、幕間の「語り手の視点からのコメント」みたいなのが出てくるが、本当に必要かどうか疑問。

誰が誰の親族なのか、人間関係を把握するのも困難だった。登場人物が終始大声で言い争うのも、やや辟易させられる。鑑賞後の印象は、「混沌・混乱(自分の頭の中も含めて)」だが、英語タイトルにもそうあるのだから、「それでいいのだ」と決め込んで映画館を後にした。

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Rosalind