「愛、アムール」愛、アムール まにさんの映画レビュー(感想・評価)
愛、アムール
これが映画だ。
カメラは固定。
しかし暴力的なまでにカットが鋭い。
ブレッソン、小津監督という系譜の中で。
映画としての映画がまだ脈々と生きている。
そのことに賛辞をおくりたい。
そしてこの系譜をとぎらせてはならない。
冒頭。消防士が扉を開けると、ベットに横たわる遺体。
その興奮を断絶するようにタイトル。
その後、劇場の観客席をえんえん映す場面。
人が今から始まる公演をただ待つだけのシーン。
これがこれからはじまる物語を観ている私たちにも投影する。
愛の物語。
愛する人が苦しんでいるのを愛している人はどう向き合っていくのか。
そこに善悪はない。
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