「逃げないでください、ハネケさん。」愛、アムール bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
逃げないでください、ハネケさん。
老老介護の末に起こる悲劇を描いた映画ですが、他のハネケ映画同様、突然、終わります。いや、終わるというよりは、作品を作る事を放棄してしまいます。さあ、これから先は、あなたたち観客の判断に委ねられているのです。ハネケはこう云い訳しているかのようです。しかし、この監督、毎回、云い訳していますね。これで、カンヌのパルム・ドールですか。いやあ、ハネケさん、楽していますね。内容については、とにかく、痛々しい映画、この一言に尽きます。特に、二度目の発作を起こした後の、エマニュエル・リバは正視できませんでした。鳩が二回、家の中に迷い込んできますが、それが何の暗喩なのか、私には、全然、判りませんでした。もしかしたら、監督本人も判っていないのかもしれません。ここで、鳩を適当に登場させておけば、批評家の連中が勝手に深読みして、何とか云い繕ってくれるだろう。ハネケはこう高を括っていたのかもしれません。
とにかく、ミヒャエル・ハネケは現在、世界で、最も過大評価されている監督でしょう。オペラを作曲した作曲家が長大な序曲だけを作っておいて、いざ、幕が上がると、楽団員も歌手もトンズラしている。勿論、指揮者も作曲家も逃げている。
ハネケさん、そろそろ、逃げるのは止めて、本気で勝負して下さい!
コメントする