「苦く痛い青年の成長譚」ペーパーボーイ 真夏の引力 arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
苦く痛い青年の成長譚
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大学も水泳選手としても挫折を経験して故郷の町に戻り、父親の新聞社を手伝うジャック。
幼くして母親と別れた彼は、まだ何処かで母親を求めている。それは、家政婦のアニタに甘える様子や、年上のシャーロットに惹かれたことからも明らかだ。
挫折を経験したとはいえ、ジャックはこの物語の中で、唯一まだイノセントな存在なのだ。
その彼が、兄のウォードと共に殺人事件の真相を探る過程で、父親、信頼していた兄、恋をした年上の女、DVサイコパスのヒラリーら周囲の人間の“業”を見せつけられ、彼自身のイノセンスも穢され、傷つけられる。
メイン・ストーリーはあくまでも、殺人事件(冤罪事件)の真相解明なんだろうが、
M・マコノヒー、N・キッドマン、J・キューザックがそれぞれ演じるウォード、シャーロット、ヒラリーキャラクターが濃密、強烈過ぎて、メイン・ストーリーがぼやけてしまった感否めず。
肌にまとわりつくような熱気を実感出来るこの季節にピッタリの一本であることは間違いない。
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