ツナグのレビュー・感想・評価
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何度観ても勝手に涙が溢れてしまう一作
いつぶりだろう。久しぶりに見たくなった『ツナグ』
本当に望んでいる人だけが繋がる不思議な縁。
目に見えるものが全てじゃない、心でもみてみる。
現実では絶対ありえないファンタジーの世界だけど
もし死者と逢えるなら人間ではなくなってしまうような気がした。
生きているからこそ人間であり、亡くなったからこそ死者である。
死者と逢ってしまえば境界線がなくなってしまう。
現にこの世界は遺してくれたモノで溢れている。
時代が100年と経っていけばこの作品もそうなる。
想いは形を生して人へ受け継がれる。
言葉にしかできない出来事をこの作品では視覚化している。“もしも”がある世界、たくさんの感情が入り交じっていて私の琴線をくすぐる。
またいつか、ふと観たくなる日がくるんだろうなぁ。
死者との仲介を通して生きることを考えさせられる作品
死んだ人とは二度と会うことはできない。そんな当たり前のことを覆す「ツナグ」という仕事。仲介役として知らない人の人生に深く関わることになった主人公の立場、一度しか会えない死者を仲介している自分は正しいのか、と考えるあたりが青年らしい。
後は何より樹木希林さんの演技が印象的。ベテラン女優だからこその存在感が伝わってくる。樹木希林さん自身がすでに亡くなって、もう新たな作品に出演することはない。
それでもこのように作品としていつまでも観ることができる。そう思った瞬間でした。
僕がツナグを辞めたら、おばあちゃんを呼び出すよ
奇しくも樹木希林さんが亡くなっているので、本当に呼び出したんじゃないだろうか、と勘違いしそうになりました。
この映画、見てなかったのですが、結果的にこのGWはとても贅沢なサンドウィッチを味わってます。
未読だった原作を読んで、映画を見て(レンタルDVD)、これから原作の続編を読むところです。ツナグを受け継いでから7年目の話ということで、ひとりで盛り上がってます。
原作を読み終わった翌日に映画を見たのですが、アユミくんとおばあちゃんのイメージ、嵐=橋本愛の一生背負うことになる後悔、日向キラリのピュアだからこその裏と表の顔…
すべてがキチンと丁寧に描かれており、ただ感じ入るばかりでした。
ダブルチーズバーガーも食べたいので、映画のほうも続編作ってくれないかな。
今を懸命に生きることの大切さ
本作は、従来にない仄々とした切ないSFである。亡くなった人と生きている人を再会させる不思議な力を持った、あの世とこの世の橋渡し役・ツナグの物語である。母親と息子、親友同士、そして恋人同士。三組の再会が描かれる。再会は、一度だけ、一人だけ。会えるのは月夜の一晩だけ。三組夫々に夫々の人生があり、再会する理由がある。そのどれもが切なく遣る瀬無い。
ツナグ役の樹木希林の存在感が際立っている。物静か、穏やか、自然体でありながら、慈悲深さを秘めた演技で、現実離れしそうな役どころを巧みな演技で落ち着かせている。そんなツナグの孫役の松坂桃李が若々しく、瑞々しく、真っ直ぐな青年を好演。樹木希林との息もピッタリ。
鑑賞後、感じたのは、生への強い想いである。
死期を知り遺言を残してこの世を去る者もいるが、大多数は、本作のように、伝えたいことを残したまま逝ってしまう。残された者も同様。何故、あの時、しっかりと話をしなかったのか、自分の想いを伝えなかったのか。後悔の涙が溢れる。人の死に涙するのは、悲しいというよりも、そんな感情である。
だからこそ、今を大切に生きたい。狂おしい程に熱く生きたい。そして、後で良いやと先送りせず、今、この時の想いを素直に言葉に乗せて伝えたい。素直に、ありのままを伝えたい。一瞬先に何が待っているかわからない。死は突然に訪れるから。
“今を悔いなく一生懸命に生きる”というメッセージが切々と伝わってくる作品である。
朝日や夕日が美しい我儘なファンタジー作品。
内容は、使者が用意した面会の場で死者の魂は実体を持つ事が許される。生きた人は現れた死者を目で見る事ができ触る事が出来る。『し死者からのメッセージを伝える伝言スタイルでない事をアピールあくまで面会の仲介役として』面会場所に『死者』がいるかを確認した上で依頼人を連れていく。この『ツナグ』を仕事とする祖母と孫・歩美の関係性の再構築とそれに関わる人々の懺悔・怒り・後悔・嫉妬・喜び・刹那さ等感じされる作品。印象的な言葉は、やはり死者の言葉『土地の権利書の場所は知ってるだろ?本当は、どうしたんだい?!』母親の重みが感じさせられる。『道は凍って無かったよ』若い故の自尊心と後悔が感じられる。『何も残せなくてゴメン!』7年間の呪いが幸せな家族生活の妄想に重なる。本当は子供欲しかったんだろうなぁ。『俺が爺ちゃんになったら婆ちゃん呼んでもらうよ』目の前の人に死んでからでなく生きている内に精一杯の気持ちを伝えたい思いが伝わってくる。それぞれの『ツナグ・死者との面会』印象的な場面は、橋本愛の面会の場面でのオフ台詞が気持ち悪かったと感じたのと冒頭付近のツナグの取説を読んでの異様な書き込みは流石に気付くだろうなぁ。場面ごとで暗転して切り替わる様は本に忠実すぎる表現に困惑してしまいました。今ひとつ考えが及ばないのは、主人公・歩美の両親同時死亡の原因が『ツナグ』を引き継いだ弊害によるものだと理解しました。それでなお結婚に反対された実の父親に許してもらいたくて、死んだ父親に会わせる為に、結果的に無理心中をしてしまった理解は、父には会えたが子供には会えないと何とも切ない。やはり生き残った婆ちゃんを思えばこその妄想なのかは分かりませんし知りようがありません。そう!皆んなが優しさに包まれて涙する作品だった様に感じます。しかし設定だからしようがないが、そんな危ない鏡は人の目につくような所に置くなー!超・危険物管理者責任問題だと感じました。その点が、我儘で強引過ぎる理解に苦しむ所でした。しかし、死者との面会で本当に話したい事は、死者の前でも結局皆んな話したい事は話せず後悔を残す事は、死者を生者と誤解認識する様子は滑稽でした。やはり綺麗な景色を見せられるとそれだけで良い映画だなぁと感じさせられてしまいますし涙の見せ場が過剰だったのが印象的です。『最上のわざ』『人生の秋に』ヘルマン・ホイスヴァルは今作品で知りました。真の故郷に逝く為に。
ツナグと言う職業の覚悟
松坂桃李扮する渋谷歩美は、祖母から死者と一度だけ再会させることの出来る仕事ツナグを譲り受けた。
八神純子の曲に「1年と10秒の交換」と言う曲があるが、自分の寿命を1年削ってでも10秒でいいから会いたいと言う事だった。死者と会って残された者はすっきり出来るのか否かは分からないが、死者に言えなかった事、出来なくて未練が残った事など色々あろうが、亡くなってでも想いを果たせれば良しと出来ればいい。でも愛し合っていた者たちには先へ進めるために会ってもさらに辛かろう。それをツナグと言う職業にするにはさらに覚悟がいるよね。
松坂 桃李単独初主演
松坂 桃李、この時から高校生には見えないけれども、単独初主演作とのこと。
2022年に見ました。樹木希林さんも八千草薫さんも、もう、いらっしゃらないのだと思うと不思議な気持ち。
映画にいくつかエピソードを含める場合、それぞれが小粒になってしまうことあるけれども、キレイにまとまっていたと思います。
続編も作れそう。あるなら見てみたい。
刻めるなら3.7
感動ポルノ
死んだ人に会いたい、再会したい、生き返る系のショートストーリーを主人公を中心に3本詰め込んだ作品です。
ちょっと力技過ぎて設定もガバガバだしストーリーも薄いので評価低いです。
音楽も感動シーン毎にチャラララ〜ンと流れて最後には笑えてきます。
おススメしません。
圧倒。すごい衝撃的
鑑賞後、バーっとレビューが書ける物と書けない物がありますが、これは後者。圧倒されて言葉が出て来ない。
私はツナグに頼んで会いたい人がいない。それは幸せな事かもしれないな…なんて余韻に浸りました。
驚いたのが、橋本愛がすごい!役が合ったのかもしれないけど、上手過ぎるを通り越して役そのもの!憑依型を見せられた。圧巻。
ツナグで会えた三組で一番心に残ったのも、橋本愛演じる高校生編。
死んでるから腹割って話せるだろうと思える条件でも、話せない心情が分かりすぎる…。どんでん返しと思ったら、またどんでん返しでひっくり返って大混乱!
許したい気持ちと許せない気持ちの半々から来た行動なのかな。
と、思ってもいっそ恨まれる方が楽な気もするし、優しさではない優しさが心に残ってしまって一番辛そうなので、恨んでるのかなと考えてしまった。
歩美(松坂桃李)の両親の謎も着地点をみつけれてよかった。
その着地点の見つけ方がそう来るのかー!と驚いた。とても素敵でしたら。
悲嘆を癒していくということ
「こんな大人を騙すようなこと…お前の親は知ってんのか!」
後悔を抱えながら生きていく。
それはもう人間の性(さが)なのかもしれない。
人生一度きりなら、やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいい。
その通りだと思う。でもほとんどの人は、やらずに後悔する人生だろう。
どんな人生を生きたいか、選ぶのは自分。
___________
死んでいる人に会うなんて、生きているもののエゴなんじゃないか?生きている人に、いいように使われていいのか?
歩美の言葉は重い。
だけど、生きている人は人生でひとりだけ死んだ人に会える、一方で死んだ人も1度だけ呼び出されて行くことを選べる、という設定は奥深い。
ツナグを継承するかい?と問われたら、きっと僕もツナグになりたいと思う。(甘えんなよオッサン!と歳上イケメンに言い放ちたいからではない、念のため)
死をテーマに扱いながらも、今、目の前にいる生きる人に寄り添う物語。
心理描写だけでなく、映画作品としても面白いと思える素晴らしい1本だった。
描くには足りなすぎる時間
死者と一度だけ会わせる「ツナグ」という役目を持った祖母とその後継者の孫。
その孫は「ツナグ」の仲介者として依頼人に触れ、その役目の意味を学んでいく。
樹木希林は樹木希林だったけど、樹木希林自体がそんな不思議な力持っててもおかしくないような雰囲気だからすごいいい存在感だった。
主演の松坂桃李は淡々と感情の抑揚が少なく、あくまでも第三者の立場としてその場にいる普通の少年感が雰囲気に合っていて良かった印象。
人が死に、残された人の感情や思惑が様々に展開され、とても2時間という短い枠で描くには足りなすぎる作品だったように思える。
個人的にはドラマで1話1エピソードとしてその人達の過去をしっかりと掘り下げるように描いてくれたら嬉しい。
信じるか信じないか、それだけ
この手の映画で初めて真摯に作られたものを観ました。
死後の世界は誰にもわからない。
それなら、信じて心の平安が維持できるのなら、私は信じたい。
大野いとと橋本愛の演技は凄いです。
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