劇場公開日 2012年10月6日

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「悲嘆を癒していくということ」ツナグ 高岡 正和さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0悲嘆を癒していくということ

2021年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

「こんな大人を騙すようなこと…お前の親は知ってんのか!」

後悔を抱えながら生きていく。
それはもう人間の性(さが)なのかもしれない。
人生一度きりなら、やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいい。
その通りだと思う。でもほとんどの人は、やらずに後悔する人生だろう。
どんな人生を生きたいか、選ぶのは自分。

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死んでいる人に会うなんて、生きているもののエゴなんじゃないか?生きている人に、いいように使われていいのか?
歩美の言葉は重い。
だけど、生きている人は人生でひとりだけ死んだ人に会える、一方で死んだ人も1度だけ呼び出されて行くことを選べる、という設定は奥深い。

ツナグを継承するかい?と問われたら、きっと僕もツナグになりたいと思う。(甘えんなよオッサン!と歳上イケメンに言い放ちたいからではない、念のため)
死をテーマに扱いながらも、今、目の前にいる生きる人に寄り添う物語。
心理描写だけでなく、映画作品としても面白いと思える素晴らしい1本だった。

高岡 正和